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ROE×ESGは企業の持続性重視の新指標

2019/08/12 日本経済新聞  『ESG×収益力 欧米先行』より


ESG(環境・社会・企業統治)スコアと自己資本利益率(ROE)を用いての企業評価では、持続的に高収益を上げることができる企業には、欧米勢が多いとのこと。この評価による上位100社のうち約8割が欧米企業が占め、日本企業にとっても、この両指標の引き上げが持続的な企業価値向上として重要だとあります。本紙面では時価総額300億ドル(約3.2兆円)以上、自己資本比率20%以上の263社を対象に、資本効率を示すROEにESGスコアを乗じた「ROESG」をリサーチ、企業評価には従来ROEが重視されてきたが、昨今の環境問題に関する企業の取り組みなどといった、社会に役立つ企業でなければ収益性を保てないとの見方が一般的となり、投資家も収益力とESGの両立を重視する流れになったとあります。


上位30社では9割が欧米勢。米国企業はROEが高く、欧州企業はESGスコアが高いという傾向はあるにせよ、全般的に両立できている企業が多いという実態のようです。首位はデンマークの医薬大手ノボノルディスクでROESGスコア92.4(ROE79%、ESG1.17ポイント)、同社は工場の消費電力の77%を再生エネルギーで賄う他、発展途上国の子供に無償でインスリンを提供し、社会・経済・環境すべてに配慮するという「トリプルボトムライン経営」を90年代より取り入れています。米国勢では5位にエヌビディア(サイバーセキュリティを経営課題に掲げESGスコアで高順位)、アジア企業では日用品大手ユニリーバ系のインド企業が3位、顧客=消費者に近い製品だからこそ、市場トレンドや顧客からの期待へ敏感に対応するためESGを重視していることがわかります。


日本勢で順位が最も高い企業は56位の花王。社長直轄のESG部門を持ち、リサイクルされない廃棄物量をゼロをはじめとする2030年までのESG長期目標を据え内外に発信する。他89位NTTドコモ、91位KDDI、94位日本たばこ産業、日本企業は100社中この4社のみ。


従来より日本企業は欧米企業に比べると、ROEが低水準であることに加え、ESGへの取り組みが非常に遅れている印象です。企業経営・活動が従来にも増してグローバル化し、金融市場に参加している多くの投資家もESGの概念を投資指標に取り入れる流れにおいては、この「収益力×環境・社会・企業統治」という両輪を重視する経営は必須になります。

ESG投資の規模は世界的に3300兆円に達しているとしてこの記事は終わっています。


今後時々フォーカスされることが想定されますので、このトピックスは継続的にフォローしていきたいと思います。

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