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執筆者の写真RYUICHI MOTOHASHI

米国金利上昇でも強気を貫く「女王」の戦略


2021/02/25日本経済新聞『金利上昇、強気貫く女王』より 2月最終週の話題は専ら「米国金利の上昇」でした… 2/24は米国長期金利は上昇すれども、前の日に見られたハイテク株の売りは限定的で、連日下落していたテスラも5日ぶりに反発。金利が上がっても買い!という一部ファンドや個人投資家の強気ぶりも健在とあります。 長期金利の上昇で株価はどうなる?特にハイテク株への余波を聞くならこの人を外せないと、アクティブETFを運用するARKインベストメントマネジメントのキャシー・ウッドの名をあげています。 彼女の運用するARKETFテスラ等「破壊的イノベーション」銘柄を組み入れ、旗艦ファンドの価格は昨年、約2.5倍に上昇、資金流入も急増していました。それが金利上昇が進んだ21年2月後半にこの流れは一転し、値下がりと資金流出で2/23の運用資産残高は約265億ドル(約2.8兆円)と前日比で約16億ドルの減少です。 ウッド氏は、「金利急上昇があれば、バリュエーション(投資尺度)のリセットはありうる」として、予想PERが切り下がる恐れがあると言及。「我々のポートフォリオはリセット対象の有力候補だろう」と指摘し、この事態をある程度予測していました。このETFは組み入れ銘柄上位はテスラ、テレビ向けストリーミング端末のロク、決済サービスのスクエア、オンライン診療のテラドック等、売上急増の高成長のテック企業ばかりです。 しかしこの逆風でもウッド氏の強気姿勢は変わりはなく、長期的に力強い成長を続ける銘柄であれば、金利上昇しても高い投資尺度は許容されるとして、下落を続けるテスラを「バイ・ザ・ディプ(押し目買い)」を継続的にいれながら、強気の買い増しをしています。 この細身女性ウッド氏は、個人投資家VSヘッジファンドの戦いの場となったSNSレディットで、「女王」と呼ばれています。 ARKはヘッジファンドではなくETFであり、組み入れ銘柄を日々公開しているため、個人投資家の追随買いも誘発買いにつながっているとも言われています。このARKのETFシリーズへの関心の高まりは社会現象といってもいいとされ、ARKのETFにレバレッジを掛ける金融商品も発売され、米国だけではなく韓国でも「女王ウッド」は熱狂的人気となっているようです。 米国金利上昇は株価の動向だけではなく、運用業界での新しいプレーヤー、個人投資家の投資熱など新たなムーブメントも引き起こしそうな転換点となりそうだと終わっています。 ウッド氏の運用するARKK(イノベーションETF)は日本でもアクティブファンドとして投資が可能です。「破壊的イノベーション企業」を生む本来の米国株式市場の奥深さが垣間見れるような話題です。


アークインベストメント社 https://ark-invest.com/

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