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執筆者の写真RYUICHI MOTOHASHI

換金売りが解消した「金」相場に、もう一つの心配事・・・

2020/03/26日本経済新聞 『金、換金売り一巡し急伸』より 換金売りで大きく下落していた金価格が今週は急伸。FRBによる金融緩和拡大・ドル資金供給で、ドル資金のひっ迫が和らぎ「金」に資金が戻ってきました

FRBはゼロ金利政策を取り、金利がつかない「金」の投資妙味は大きくなっています。

新型ウィルスの収束がつかず経済先行き不透明感が強い中での安全資産に対する需要も強くなっています。 金の国際指標NY先物は3/25日本時間夕の時間外で1トロイオンス1670ドル前後、

一時は1699ドル近くと約7年ぶりの高値圏まで上昇、4ヵ月ぶりの安値を付けた16日から

僅か9日で200ドル近く急上昇し、急落前の価格水準まで回復しました。

この急速な金相場回復の原因は、「換金売り」の収束です。世界的株安・信用不安で2月下旬以降、手許の現金確保のための金売りが価格下落につながりました。


中でも年初より高値圏を安定的に維持し、流動性が高い資産の金は流動性確保の格好のターゲットとなっていたようです。3/15にFRBが2回目の緊急利下げでも、金相場は下落が続き、コロナ感染拡大で先行き不安感が企業・金融機関の基軸通貨ドルの確保行動を駆り立てる中、FRBは3/19には新興国への資金供給、3/23には量的緩和で買い入れ資産の購入量を無制限としました。「FRBの資金供給拡大で金利上昇が止まり、ドルのひっ迫も一段落したところで金の価格が回復した」(ピクテ投信)とされています。 過去の例でも2008年リーマンショック等の金融危機や世界同時株安の局面では、「金」は真っ先に換金化され下落することも多い資産で、今回のコロナショックは「金融当局・各国政府の真っ先の金融・財政政策で異次元規模で早期収拾」が功を奏し、換金売りがストップして金相場の回復につながったとの声が紹介されています。 ただ景気減速・経済悪化について収束の先が見えない状況に変わりはなく、それが故に安全資産としてのゼロ金利の「金」が選好されるこの状況は、ある意味で、従来の有事というか危機時の「金保有」を意味しているのではないかと思います。

同日紙面には、もう一つの金価格急騰の原因も・・・

それは、シカゴマーカンタイル取引所向けの「現物の金」が十分に供給されず、NYの先物市場との裁定がうまく効かなくなって先物価格の一人歩きが始まってしまい、、、とあります。 このあおりを受けているのは、当オフィスとのご契約のお客さまに提案している「ゴールドファンド」です。

今週、ある運用会社のゴールドファンドが買付停止になってしまいました(泣)。

これは波乱相場におけるポートフォリオの一部を、株式や債券と違う動きをしやすい

「守りの資産」として期待のアイデアでしたのに・・・

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