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資産運用業にとって、今見直すべき本来の姿

2019/12/24日本経済新聞『資産運用業高度化への課題』より


今の日本は家計も企業もカネ余り状態だと始まり、家計では金融資産の大半が預貯金に集中、預金が集まってしまう銀行はマイナス金利が長期化し、従来の融資を本業とするビジネスモデルは難しくなっています。


企業でも新規投資に向かないキャッシュが積みあがったまま。資金需要がないから株式市場でも活発なのは資金調達ではなく自社株買いです。このような「金融資産大国」に相応しい資産運用業の期待が高まっており、金融資産を有効活用する好循環社会を実現できる、国民の安定的な資産形成を支援する「資産運用業の高度化」が課題と認識されているとの記事です。


そのそも日本の資産運用会社は多くが銀行・証券・保険会社の子会社で、こうした親会社の本業から見ると本業ではない傍流(失礼します)です。母体の親会社である程度の地位にいらした全くビジネスを理解していない方(失礼します)が、子会社の経営陣として送り込まれ、数年を過ごした後、また違う母体からの方が送り込まれます。※もちろんすべてのケースではありません。


かくいう経営では、グローバルな経済状況と密接に関連しながら、金融資産大国に付加価値を提供する資産運用業の高度化などハードルが高いのは言うまでもありません。


正反対のケースでは、欧米の資産運用業が挙げられ、医師・弁護士と並びフィデューシャリー(お客さまから受けた信認を受けた履行すべき義務)を前提とする専門的職業とされています。この時点で勤め人の「最後のイス(ポスト)」という日本とはまったく違います。


お客さまの信認が求めれられるこうした職業に「営業(セールス)」は全く馴染まないともあり、実際病院や弁護士事務所に営業部はないですし、もし病院からセールス電話がかかって来たら患者さんはどう思うでしょうかとも。資産運用業は「医師・弁護士と同じく、世の中の評価で成り立つ仕事であると理解が重要だ」とあり全く同感です。営業文化が強い銀行・証券・保険会社とは全く正反対の視点です。

※勤め人時代にセールスが大の苦手だった私には「この押し売り・焼き畑農業」の営業文化はどうも肌に合わなかったです・・・


そして資産運用は規模の経済が必要なインデックスファンドでない限り、常に適正規模を意識しないといけないビジネスであり、資産規模ではなくクオリティ(提供されるサービスの品質)で競う仕事である。


さらに最後に資本力ではなく人材が競争力の源泉であり、系列(リレーション)ではなくてプロフェッショナルな仕事であるとは、まったく異論なしです。


記事の最後は、こうした資産運用業というビジネスの本質を知り尽くした人材が不可欠だとあり、お客さまの信認を履行する1人のFAとして、私ができることからチャレンジしていきたいと思います。

とても短いコラムですが、なんだか私が辿ってきた金融マンとしての時間で常に感じていたツッカエがすっきりした内容でした。

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