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投信番付に見る「ブンパイキン健全度」

2019/12/19日本経済新聞夕刊『投信番付』より


「毎月分配型、目立つ元本取り崩し 残高首位でも4割」と始まり、この小見出しだけでは「?」という感じかもしれませんが、毎月分配型ファンドの「ブンパイキン健全度」を調べた結果のようです。


投資信託の分配金は全て運用益から出ているとは限らないというのは、以前ご紹介した通り(記事は本コラム最後に)ですが、QUICK資産運用研究所による11月末時点の毎月分配型ファンドを対象とした面白い調査が紹介されています。


これは毎月分配ファンドで純資産残高上位10本の国内公募株式投信について、分配金に占める運用成果の割合を調べたものです。


投資信託の「ブンパイキン」には、運用益から支払われる「普通分配金」と、元本の一部を取り崩す「特別分配金(元本払戻金)」の2つがあります。この調査ではブンパイキンの内、普通分配金が占める割合を示したものを『分配金健全度』としています


健全度が100%ならブンパイキン全額が運用成果から支払われ、健全度が0%ならブンパイキン全額が運用益以外で支払われている(つまり、すべてが元本取り崩し!)ことになります


多くのランキングに頻繁に登場する残高1位の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、この1年の分配金健全度が約63%、1年前にこのファンドを買った投資家が受け取るブンパイキンの内、運用成果の部分が約6割で、残りの約4割は元本の取り崩しによって支払われているという計算です。


因みに本ランキングでは、1年間の健全度が最も高かったのは「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)」約88.9%。約9割のブンパイキンが本来の運用成果(普通分配金)から支払われていることがわかります。


ひと頃は複利効果が期待できず投資効率が悪いなどと言われ敬遠された「毎月分配型ファンド」ですが、最近は「そうは言っても、やはりお小遣いが欲しい」というシニア投資家からの人気が復活しているようです。


そうした中で、ご自身が投資している投資信託がどんなもので、その分配金がどのように出てくるのかくらいは、キチンと抑えておくべきことかと思います。

今後一部のネット証券でも、定期的に決まった口数、残高の一定率での解約が可能となるようです。今までありそうでなかった新しい機能を活用することも、ご自身の資産の「形成・運用」だけでない「活用」に大切なことではないでしょうか?


未だに時々、「特別分配金って税金かからなくてお得ですよね!」なんて言うお客さまがいると、私は絶句してしまいます。


勿論、お客さま何の落ち度もありません、提案する金融機関の担当の方にですよ(怒)


過去のブンパイキン関連記事は こちら↓↓↓


毎月分配投信の人気復活と注意点


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