• RYUICHI MOTOHASHI

明暗を左右するかも?王道の「〇〇〇〇型投信」

2019/12/17日本経済新聞『バランス型投信に資金流入増』より


2019年1月~11月の投信市場は全体として資金流入が鈍っていると言われますが、運用会社別の投信の資金流入額を見ると「あるモノ」を持っているか否かで、その実態は大きく異なるようです。その「あるモノ」とは、バランス型ファンドです。


運用会社別に追加型株式投信(ETF除く)の資金流出入額を調査したものによると、流入超の上位には「バランス型投信」のヒット商品を持つ会社がランクイン。国内の債券・株式・REITの3資産に分散投資する「東京海上・円資産バランスファンド」が人気の東京海上アセットは約4200億円の資金流入超のようです。これはお客さまからも銀行窓口で「安定運用ですよ」と勧められたとよく聞きいたファンドです。


日興アセットは「グローバル3倍3分法ファンド」のヒットが貢献。世界の株式、REIT、債券の3資産分散投資ですが、先物取引を使って純資産の3倍相当額に投資し、リスクを抑えつつリターンを狙うという変わり種で、この低金利でなかなかリターンが期待できない不満が募るリスク許容度が高めの投資家のニーズにマッチしたようです。


こうしたバランス型が見直される背景にあるものは、リスク資産の株式の値動きが大きくるなる中、バランス型は分散投資の効果で値動きがそれほど大きくなく、安定した運用益を上げていることが資金流入につながっているようです。


さらに販売サイドの銀行・証券会社も投資家が長期で保有できる商品をご案内するスタイルにシフトしつつあることも理由の一つです。


さらに別の流れも。長期の資産形成には不向きと言わて敬遠され、残高が急減少した毎月分配型ファンドにも、値動きが小さいファンドには資金が戻ってきているようです。


代表的なのは配当利回りが高い世界の公益株に投資する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は約3700億円の資金を集め、ピクテ投信では約4500億円の流入超で運用会社別では1位(2019年1-11月)です。


反対に苦戦組は「テーマ型」の投信に強みを持つ運用会社は資金流出超となった会社が多くなっています。人工知能(AI)やロボットティクス等、運用会社としては長く続くテーマとしてプロデュースしているつもりでも、投資家が受けるテーマ型の印象はやはり一過性の流行りモノと感じられてしまうのかもしれません。


こうしたテーマ型が多い運用会社としても、中期・長期で投資家に保有もらえて、運用資産残高が安定しやすいバランス型への注力が経営安定への課題と認識しているようです。


今後、(より複雑怪奇でわかりにくさが際立つ)新NISA等の制度改革もある中で、運用会社の商品戦略も見直されて行くことは、投資家にとってウェルカムな状況だと思います。


個人的には、6500本以上とも言われる投資信託がある中で、更に多くのコンセプトが先行するバランス型ファンドをこれからって、、、ちょっとさすがに周回遅れという思いがない訳でもありませんが。


コンセプトがきちんとした既存のファンドの再度のプロモーションに期待したいです。

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