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「密室」で決めていいのか! 公的年金の資産配分

2019/12/04日本経済新聞 『厚生年金のあるべき資産構成』より


私達の大切な老後生活を支える公的年金において、5年に一度の財政検証が行わたのに伴い、厚生年金の運用資産構成の見直し=モデルポートフォリオの新たな検討が進んで

います。


現在の厚生年金の運用資産総額は約200兆円近く、今後の給付水準がどの程度維持できるかはいろいろ議論が待たれますが、現時点での膨大な積立資産とその運用益がクッションになるとあります。

※財政検証の資料は厚生労働省HPにありますが、数ページに余白が無いほど

文字文字(モジモジ)がびっしりで複雑かつ怪奇で全く理解できませんので割愛します。


ただ大切な積立資産を運用しているモデルポートフォリオ(資産配分)の大枠今後の運用・給付を考える上でとても重要かと思います。


しかしこの超重要なモデルポートフォリオの議論が「密室」で行われており、透明性を欠いていると感じざるを得ません


記事では4つの観点から議論を期待したいと提案されています。


まず第一は各資産の収益率。特に国内債券の利率の前提と投資対象としての可否です。昨今の国内債の利率はほぼゼロ(時にはマイナス)、であれば、ポートフォリオ内の国内債の割合を小さくし、その分他の資産へ振り分けるべきという意見です。


(これは確かにリターンがないという点からは〇のような気がしますが、やはり守るべき資産も大切という観点からすると少々言い過ぎ感あり。もし柔軟な配分ができるなら現金のままでもいいのかなと、、、個人のお客さまには私はこのアイデアを提供)


第二配分先としての株式という資産について、株式を国内・海外に分ける意味があるのかないのかという点です。


日本企業でも海外で元気にビジネスをしてかなりの部分を海外で稼いでいる企業もあります。経済成長率が日本<海外である中では、日本企業=国内株と括らなくても良いのではないかという発想です。


(これについては私も同感。現に外国人投資家は少子高齢化の日本はダメだという方は皆無ですし、グローバル企業でたまたま日本に本社があるんでしょという意識ですから)


第三株式投資のベンチマークとしてのインデックスの再考について。国内株式については上場区分変更とインデックスを構成する企業見直し議論が始まりそうです。従来、年金運用で超重要視されていたTOPIXが絶対ではなくなりつつあります。


(まさに同感!東証一部上場企業といっても玉石混交、そもそも上場自体をゴールとして

内部昇格のように東証一部となった企業の中には「ん?」という企業もありますし)


最後の第四50年、100年に一度の天災リスクへの備えはどうする?という点。

そもそも公的年金=国民の安定的な老後生活を支える原資というものである以上、経済的変動だけでなく自然災害へも備えるべきではという意見です。

特に記事では間近に迫る南海トラフ地震を想定して、日本に置くべき資産を調整してはどうだろうという主張です。


(実は、時々お客さまとこの話題になりますが、国内での資産へのダメージを回避するため、外国株式・債券への投資へ分散するくらいしか、正直私も明確なお答えを出せていないのです。ただこれだけ相次いで天災被害を受けますと、現物である国内不動産も耐震性やハザードマップチェック、建物へのダメージが想定される指標の確認等、目利きがより重要になってくるかなとかは思います)


本記事の最後に、「密室で決めてもいいですが、こうした要素を留意して議論をして欲しい」と締めくくっていて、これに対しては100%同感です。


※因みに、上の括弧内は私の心の声です…

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