• RYUICHI MOTOHASHI

株・投信、手数料ゼロ化へ

2019/11/30日本経済新聞『株・投信、手数料ゼロの波』より


インターネット取引を主力とする証券会社を中心に、個人の株式・投信の売買手数料をゼロとする動きが加速しています。今年になって一部の証券会社では既に発表が相次いでいるこの「手数料無料化」の流れですが、今後、一層加速していきそうです。


株式や投資信託の販売時における売買手数料は、証券会社等の収益源ではありますが、投資家にとっては運用成績を損ねるものであり、今回、この収益源としての売買時の手数料を無料化する=従来型証券会社のビジネスモデル修正を意味しています。


証券会社を始めとする金融機関にとっては業界再編、投資家にとってはよりメリットが大きくなり、投資家の裾野拡大になりそうだとあります。株式の売買委託手数料は99年に完全自由化、その後インターネット証券主導で価格破壊合戦が進んできましたが、今回の「ゼロ化」は約20年ぶりの大きな転換期となりそうです。


投資信託の手数料ゼロ化は既に一部のネット証券会社で実施予定で、今後次々導入が予定されているようです。


また新しい形態での参入組(LINE証券などスマホ組)も原則無料化、既存ネット証券大手のSBI証券も現物取引を3年後に無料化する意向と報じられています。この無料化の流れは、テクノロジーの進展によるコスト削減、金融当局による手数料の透明化を求めていることも影響しているとあります。


米国でも一足早くこの流れは起きており、2013年創業のロビンフット社が株式取引サービスを無料提供し、若者を中心に600万人超の顧客を獲得しているようです。スマホを使った簡易な操作性のスマホ証券が支持されているようですが、このスタイルは日本でも十分受け入れられる可能性がありそうですね。


こうした手数料無料化後のビジネスモデルの転換はどうでしょうか?自社開発した証券システムを外部販売したり、株主の事業会社と連携しデータビジネスを始めたり、外資系フィデリティ証券は投資家の運用残高に応じた対価をもらうフィーベースに移行したりと、各社新しいビジネスモデルを志向しています。これも米国の先例に近づいているビジネスの姿。


それでも米国ではビジネスとして継続するため、規模追求が欠かせず、ネット証券最大手

チャールズ・シュワブは業界2位のTDアメリトレードを買収すると報じられました。


このような業界再編も日本で加速しそうだとあり、ネット取引を利用しない高齢顧客が顧客の中心である対面営業メインの大手証券では、手数料ゼロ化実現はかなり難しい。。。

となると、現状の売買コストを気にしない一部の富裕層とネット取引ができない高齢顧客への依存度が高まりそうだとあります。


こうした顧客層も年々高齢化し、やがて資産運用や株式の売買をやめ、いずれはその運用資産が相続財産となった時に、その資産を引き継ぐのは次世代となります。ちょうど昨年末にこうした関連トピック(消えゆく投資家、相続で運用資産減・・・)を考えていました。


また最後に手数料ゼロ化は株式の売買活発化に寄与する一方で、過剰な短期を行うトレーダーのような投資家ならぬ「投機家」も増殖しかねないとも指摘しています。


取引サービスを提供する金融機関も利用する投資家も、安心して長く継続的な取引ができること、さらに私たちのようなFAもパートナー金融機関のビジネスモデルに順応しながら、お客さまに納得感あるサービス提供が求めれらるステージに入ってくるという気がします。

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