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喉元過ぎた「老後2000万円」の誤解を再考する・・・

2019/11/20日本経済新聞夕刊『「老後2000万円」3つの誤解』より


フィデリティ野尻氏の十字路コラムから。


少し前に話題となった「老後資金2,000万円不足問題」の誤解しやすい3つの点について再考しています。


第一、誰にでも一律に必要な金額ととらえかねないこと。フィデリティ含め様々なアンケート調査でも、「現役世代の年収の高い人ほど退職後の生活費総額は多く必要」と答えており、人は退職したからといって生活水準を簡単に引き下げられません。

※これは私の外銀時代の知人にも非常に多いキリギリスタイプで、とても年収が高くても、貯蓄が全く(でき)ないという人を沢山見ていたので、容易に想像が、、、


第二、生活費と年金収入・勤労収入の差額は赤字ではない

退職後の主な収入源は①既に決まっている年金、②退職後の努力次第である勤労、

③現役時代からの計画的な準備・構築の資産という3つの収入です。

中でも最後の資産収入は、そもそも長い間積み上げてきた資産の累積を老後資金として

取り崩す性格であるため、「赤字」というのは誤解を生じるとあります。


第三、「2000万円不足」というと、「退職までに2000万円を用意しなければならない」と誤解しがちですが、先ほどの資産収入の原資は「元本と運用益」ということを考えれば、退職後も資産運用を続けて、運用益を獲得し取り崩すことが大切とのこと。


60~75歳の15年間は資産残高の4%を引き出し、残りを3%で運用を続ける(つまり1%の資産残高が減少する)、75歳以降はもう資産運用はやめて、均等額づつ引き出して95歳までの20年間で使い切り計画を立てる


仮にこのケースだと、35年間の引き出し総額は60歳時点の資産残高の1.4倍になるとされ、不足額2000万円を確保するためには、60歳時点で1430万円あれば良いことになりそう。


この騒動は「年金だけでは老後2000万円不足」という数字だけが一人歩きし、選挙を控えたセンシティブな時期やマスコミの格好のネタにされ、世間でフォーカスされた感はありますが、そもそも皆さま一人ひとりご自身で、ますます長くなる老後生活設計を立てる大切さを喚起した報告書であったことを忘れてはいけません


とは言え、、、

できるだけ長く働いて収入を得る、生活レベルをできるだけ下げずに生活コストを下げる、3%で運用しながら4%引き出す等々、言うは易し行うは難し、、、


人生後半戦の大切な「人生戦略」になりますので、決して無理なことはせず、

きちんとサポートしてくれるアドバイザーを探して頂きたいと思います。


この人生後半戦での戦略的ファイナンシャルプランニングは、非常にお客さまのニーズが高く、私の事務所のメインメニューです。


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