• RYUICHI MOTOHASHI

毎月分配型の不都合な真実と 「個客」本位の金融サービス

2019/11/19日本経済新聞『毎月分配の不都合な事実』より


2年ほど前、金融庁から「資産形成にそぐわない」と名指しされ、存在感を失っていた

「毎月分配型ファンド」に資金が戻っているようです。将来の年金不安から若年層を中心とする積立による資産形成がブームとなる中、この復活は何を意味するのでしょうか?


大手証券会社の幹部コメントでは「結局、そこに強いニーズがあるからとしか言いようがない」と。


金融庁の森前長官が「顧客本位ではない」例として、毎月分配型ファンドを批判して以来、ETFを除く公募投信の過半を占めていた毎月分配ファンドは、金融機関の販売自粛もあり

残高が急減。直近ピークの2015年5月の43兆円から、最近では20兆円台前半まで減少して

います。

しかし、投資家の購入額から売却代金などを差し引いた「純流入額」は24か月連続流出の後、今年5月からは5か月連続で流入超に転じたとのこと。10月は再び流出したようですが、この半年では530兆円の流入超で一方通行の減少はストップしているようです。


毎月分配型ファンドの販売チャネルはほぼ対面営業によるもので、現在の主な顧客層は高齢者であると想像に難くないとあり、中堅証券会社の東海東京証券では預かり資産の7割超を60代が占めているとのこと。※大手証券会社においては預かり資産の多くが、70代、中には80代も多いとも言われています!


こうしたお客さまが投資信託での運用に期待することは、長期の資産形成ではなく、

「定期的な現金収入」であっても不思議ではありません。


実際、最近売れている分配型ファンドは「基準価額の維持を目指す安定運用型、かつ公的年金支給がない奇数月分配のファンド」のようです。投信の残高はETFの増加という要因や

株価の上昇もあり、100兆円を超えて過去最高水準ではありますが、個人投資家での残高はアベノミクスによる株高も考えてもあまり増えていないと言われています。


記事では「問題視された毎月分配型を売る側が自粛してしまった結果、顧客ニーズを取りこぼしている可能性が高い」と厳しいながらも恐らく真実を現したコメント。


私のクライアントでも「元本が減っているのは解るけど、毎月(定期的)に口座にお金が欲しいんですよ」と言われますから、このニーズが強いのはよくよく理解できます。


この「顧客本位の業務運営」が始まった際に、そもそも「誰のための顧客本位なのだろう」と思っていましたが、、、2年半が経過しこのような記事を見ると、薄々感じていた

「お上(かみ)のご意向を伺う金融機関のための顧客本位」であって、


「様々な資産運用の目的が異なる投資家というお客さまという顧客本位」ではなかったのね…と確信します。


年金問題で火が付いた老後資産形成に取り組む若い投資家、資金を枯渇を防ぎながら取り崩したいというシニア層、更にシニア層にもずっと運用できる優良なファンド、優良企業の株式で次世代に残しておきたいという方だっていますし、、、


本当に様々なニーズのお客さまを「顧客」で括る運営に疑問を感じますが、

私の業務運営は、ご契約を頂くお客さまとは1:1の「個客」として、永いお付き合いをしたいと思っています。


「カスタマー」より「クラアント」ファーストですね。

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