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ETFとFAの長期投資への活用法!

2019/11/2日本経済新聞 『ETF 長期投資の活用法』より


長期的な資産運用を行っていく上で、有効な選択肢として考えられるのが上場投資信託(ETF)です。このETFは株式と同じように証券取引所で売買が可能で、世界中の様々な資産に少額で分散投資ができる金融商品として人気化しています。本日の紙面には、その商品選びや活用のポイントがまとめられていました。


日本のETF市場は年々拡大傾向にあり、19年9月末の残高は39兆円、約3年で2.3倍に増加したとあります。大きな要因として、金融緩和の一環として日銀が日本株に連動するETFを大量買入れしていることがあります。しかし実際、商品のレパートリーも広がり、9月末では約200本が上場しています。ある個人投資家は、「個別株だと常に業績や株価が気になるが、日経平均やTOPIXという指数連動のETFはほったらかしにできるのが魅力」とのコメントが紹介されています。


指数連動型の投資信託とういう点では同様のコンセプトですが、ETFと(非上場の)公募投信との違いは、取引可能なタイミングや売買方法、売買コストの点でいくつかの違いがあります。ETFは証券取引所に上場していますので、取引時間中にリアルタイムで変動する市場価格でも売買や、「いくらで」という指値、「いつまで」という期間指定での売買も可能です。公募投信は1日1回、運用会社が算出した基準価格で売買となります。ETFは株価指数などの連動する運用のため、比較的コストも低めなのも特徴です。尚、ETFも公募投信と同様に保有コストである信託報酬はかかります(概ねETFの保有コストは公募投信よりも低めのモノが多くなっていますが、勿論最近の低コスト化競争で一概には言えません)。ETFが投資対象とする指数は日本株、世界株、債券、内外REIT、金・原油など多種な資産に渡っており、その組み合わせによっては、「長期的かつ効率的な国際分散投資に向いている」と日興アセットの今井氏のコメントもあります。


そして商品選びのポイントは「コスト」、「指数との連動性」、「日々の売買代金の大きさ」が重要かと思います。コストは言及するに及びませんが、「対象指数」との連動性ではやはり高いものを選ぶ必要があります。連動性が弱いと指数と同じ動きを期待するパフォーマンスに狂いが生じてしまいます。「売買代金」についてはこれが少ない銘柄は、売りたい時に売れない、買いたい時に買えないといった流動性リスクが生じます(この問題は最近、改善方向にあります)。


さらに戦略的な活用も重要です。以前、私もPB時代にETFだけでなく債券・投資信託を使って、コア・サテライト投資戦略をベースに多くのお客さまのポートフォリオ提案をしましたが、まさにこのコンセプトが紹介されていました。コアは「中核資産」として、比較的安定的な収益を期待して分散投資、市場全体のリターンを狙いながら、サテライトは「衛星資産」ですので、テーマ性が強い有望分野に特化した銘柄、商品に、それほど多くない金額で集中投資してリターンを狙います。イメージはコア資産は世界株、日本株、債券系全体に連動するETF、サテライトは業種、地域、金・原油等のコモディティに戦略的な投資スタイルです。


しかし「ETF」が万能という訳でもありません。日経平均の動きの2倍連動する「レバレッジ型」や逆の動きをする「インバース型」は長期での資産形成には向きませんし、ETFは配当の再投資が出来ませんので、配当支払いの都度、税金を負担することになります。さらに自動的に積立投資ができる証券会社も限られているようで、少額づつ定期的に積立投資を自動化したい方には、公募投信の方が使い勝手が良さそうですね。さらに、ETFは証券取引所での取引ですので、売買の都度、手数料もかかります。良くも悪くも市場価格で売買できてしまう?ため、「もうちょっと下がったら買おう」とか「今はだいぶ高くなってしまったから、少し待とう」とか、ついついタイミングを伺ってしまいがちです。


どんなモノややり方にも一長一短がありますので、是非ご自身に合ったスタイルで、長期的に続けれらる資産運用を模索していただきたいと思っています。そうは言っても、、、どうしたら良いのかわからないという方は、是非、資産運用に強いFAやFPにご相談してみることをオススメします。そして皆さまの頭の整理を助けてくれる相性の良いFA、自分でも圧倒的な資産運用の経験が沢山あるFA(資産運用のアドバイス経験が沢山あるFAではありませんよ)とのお付き合いが大切です。自称プロを名乗る偽アドバイザーに注意!

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