2019/09/24日本経済新聞 『「耳寄りな情報」からの卒業』より
私見卓見のコーナーより。本コラムの筆者が小学校の子供の授業参観の際、新聞記事の感想文の張り出しに衝撃を、、、と始まっています。企業や経済をテーマとしたものは皆無であったそうです。家庭の収入や支出はほぼ全てが企業を中心とする経済活動によるものであるのに、家庭内では話題になっていないことを物語っているとあります。
私も日々痛感していますが、世間では株式投資をギャンブルのようなものと混同し敬遠する人もまだ多い一方、怪しげな投資詐欺に引っかかる人も後を絶ちません。さらに就職活動では口コミで得たイメージなどで志望企業を選んでいる学生も多いようです。この筆者は「日本人が『耳寄りな情報』を好むのは、日本人が経済や会計を敬遠し、企業や経済に関わる一時情報を自分で確認しない習慣に根差しているのでは」と言っています。このような傾向を踏まえ、上場企業などが公表する「有価証券報告書(有報)」を、企業や経済を学ぶ教材としてはどうかと提案しています。有報は会社のHPなどから手に入り、企業・経済活動の情報の宝庫です。公認会計士のお墨付きを受け公表され、内容の客観性、信頼性は高いものですが、それ程難しい専門用語ばかりではなく、日常使う言葉だけで十分理解が可能です。主要な関係会社の一覧、事業セグメント、地域別売上、従業員の平均年齢・給与・勤続年数まで開示されており、過去との比較や同業他社との比較も、ほぼ同じ形式で比較が可能です。
学生の就職先のエントリー企業を吟味したり、社会人になれば自社の事業モデル、経営戦略、財務状況等の把握や、投資家として投資先の研究や保有銘柄の分析に最適な材料ではないでしょうか?かつての私も銀行・証券、PB時代の頃から、お客様の企業情報や経営戦略の話題の糸口として必ず目を通していましたが、とてもスバラシイ無料で手に入る資料です。このツールを基に、企業情報や経済に関わる情報を「自ら」集めて、考え、行動するということを習慣化できれば、一消費者・一投資家としても日々の経済活動が身近に、興味をもって感じられると思います。
最後にこの筆者も、「家庭内でも企業や経済について話す機会を設けてほしい」とあり、若い頃から企業や経済情報に触れ、不確かな耳より情報から卒業したオトナが増えると、日本経済が強くなるに違いないとしていました。
いやぁ、まさに「我が意を得たり」のコラムです。私もお客さまに様々なアドバイスを行うことを生業にしていますが、全面的にご信頼され、全てをお任せいただくことはとても嬉しいです。しかし、あくまでもリスクを取って資産運用を行うのはお客さまであって、お客さまの大切な資産ですので、お客さまご自身のアタマ(価値観)で考えて判断してもらうことを、最も大切にしています。そのためには正しい判断を冷静にして頂くよう導くのが、FAとしての私の使命ではないかと。
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