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中小型株が好調から軟調に変わるワケ・・・

2019/09/04 日本経済新聞『中小型株 値動き軟調』より


時価総額が比較的小さい中小型株の値動きが軟調で、米中問題・英国EU離脱など外部環境懸念が台頭、投資家のリスクに関する感度も高まってきています。こんな中で、流動性リスクが高い中小型株を嫌う雰囲気が強くなっており、中小型株で運用する投資信託からの資金流出も需給面での逆風、さらに10月からの消費税増税も、内需関連企業が多い中小型株にもその影響度が波及している模様とあります。


昨今の株式市場は売買高こそ少ない日々であるものの、8月初めの円高株安以降、全体としては値動きが少なく落ち着いて来ている印象です。しかし時価総額別に見てみると、大型株に比べ中小型株は依然苦戦が続いています。本記事では東証規模別指数の騰落率をリサーチしており、昨年末から見ると大型3%高、中型株2%安、小型株横ばいとなっています。


さらに、この傾向は米国でも同じとあり、S&P500は18年末比で17%上昇に対し、小型株で構成されるS&Pスモールキャップ600は9%上昇にとどまります。日系証券アナリストのコメントは「投資家は相対的にリスクが大きい中小型株から大型株へ資金をシフトしている」と指摘。先行き不透明感が強い中での投資家心理としては、至極当然です。


もう一つの投資家のリスク回避の象徴的な心理的要因は、いざという時に売ることが出来ない「流動性リスク」ではないかと思います。この日本の中小型株を嫌う動きは、中小型株に投資している投資信託からの資金流出に見られます。投信からの資金流出は今年2月ころから目立ち始め、年初来の流出は1,600億円を超えている模様です。


さらに10月の消費増税という日本固有の問題も一因です。中小型株にはサービス業などの内需型企業が多いため、消費税の引き上げに伴って個人消費が低迷すると、売上や収益にマイナスの影響度が連想され、株価が低調となっているようです。


株式の時価総額が比較的小さい中小型株の企業にとって、投資家心理や資金動向に株価が左右されてしまうこの現象は宿命です。


パフォーマンスが好調な時は一斉に注目を集め、それが故に過大評価を受けてしまうのも事実。とは言え成熟している大企業よりも、独自のビジネスモデルと尖ったサービスで、世の中の困りごとを解決する企業も初めは皆スモールビジネスですので、、、


そこに投資のチャンスもあり。


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