• RYUICHI MOTOHASHI

新たな変わり種登場!令和の「レバレッジ投信」

2019/08/24日本経済新聞『レバレッジ投信に食指』より


日本の個人投資マネーは、世界経済全体が陥っている低成長・低金利という「日本化」の先を見据えているのか。昨今の経済総低迷状態の中、新たな金融商品登場から、リターン追求のため「あの手この手の投資家行動」を分析したトピックです。


すっかり動きが低迷、株式の売買も低調の8/23に、資産運用業界で注目の投資信託が新たに設定されています。その名も「ウルトラバランス世界株式」、世界の株式・債券・金に分散投資(ここまでは至ってフツー)しながら、先物取引を使って3倍のレバレッジをかけているというシロモノです。同様のコンセプトで残高が堅調に積みあがっているのが、18年10月設定の「グローバル3倍3分法ファンド」、こちらは世界の株式・債券・REITに分散投資して、3倍のレバレッジを掛けるのは前者と同じです。この3倍3分法ファンドは、19年1-6月の資金流入が約1,100億円超(2コース合計)と追加型株式投信全体で2位と、ここまでのヒットを受けて資産運用業界でも、同様の設定が続くとも言われています。現在までのパフォーマンスは1年決算型の基準価額がプラス24%、比較的利回りが高いREITと金利低下で価格が上昇している債券が好調のためでしょう。しかし記事では「この好成績はうれしい誤算にすぎない」とあり、株価の上昇や債券の利回りもほとんど期待できない状況では、わずかなリターンにレバレッジを掛けて資産増強を目指すというこの手法は、これから地力が問われてきそうです。


世界中で起こっている急激な金利低下(債券価格の上昇)はいつまでも続かないとも言われ、米国債発の世界的利回り低下が止まれば、株式も債券も買われない市場に逆戻りしてしまう可能性もあります。


記事の最後に、「他人にマクロ経済や市場の予想を聞くのは時間の無駄だ」と著名投資家ウォーレンバフェットの言葉を引用し、日本の個人投資家は自力でどんな道を選んできたのかと投げかけています。


こうした「変わり種新商品」ともいえるレバレッジ型投信の人気ぶりは、かつてリーマンショック後に、ブラジルレアルやトルコリラなどの通貨選択型等の二階建て投信、通貨選択+オプションという三階建て投信などの大ヒットのデジャブを連想させます。低成長・低インフレ・低金利の世界市場の「日本化」の中で、日本の投信は独自の進化を遂げてきたとすら思える新商品だと終わっています。


時々現れる複雑怪奇な話題の新投信は、登場時に注目をされても5年、10年支持されて続けている商品はごくわずかです。


「大ヒット」・「注目!」・「今が旬!」の文句は、新しい投信が売れないと困る運用業界と販売会社のマーケティングの視点での話であって、長きに渡って資産増大が大切である多くの個人投資家にとってはそれほど意味を持たないことをお忘れなく。


ただ傍観・評論するのみでなく、私もこの「新しいコンセプト」の両ファンドに資金を投じてみて実験してみます。

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