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至難のワザ? 株式市場での「お宝」探し・・・


2019/08/23 日本経済新聞 『「お宝」さがし至難の業』より


昨今の日本の株式市場は、様々な経済難局にあり、ますますその方向性の見極めが難しくなっています。こんな中、盛り上がりが欠けているのは売買取引の量だけではなく、個別銘柄の発掘にも活気が欠けているという見方です。


ここ1年で株価が2倍となった銘柄は、全上場銘柄のなんと0.5%しかなく、これは約10年ぶりの低水準であり、株価が2倍、3倍にへと夢がある「お宝」銘柄発掘の難易度が高くなっていることが、個人投資家の投資の意欲を減退させてしまっているとの指摘です。


楽天証券経済系研究所の窪田氏は、個別銘柄をセレクトしても大局観をもって取引しても、最近の市場ではリターンを得るのが難しい状態を、「木も見て、森を見ても報われない」と言っています。実際、この1年で株価が2倍になった「ダブルバガー」銘柄数はこの8/21時点で19銘柄、この数の少なさは09年6月以来の少なさ


最近のお宝銘柄が誕生しない原因は、「値動きが軽い(ちょっとしたニュースでも株価が大きく上下に動く)新興市場株が冴えないから」と分析する専門家もいます。特にここ最近の株式市場の売買高を見ていても、私も非常に少なくなっている印象であり、少しの利益を取っては売買を繰り返すような取引が多いのではと思います。これでは将来「大変身を遂げる」ような隠れたお宝銘柄で夢を買うような楽しみは期待しにくいかな、、、なんて。


しかし、こんなマーケットでもキチンと成果を出す投資家もいるとのこと。

日系運用会社で、「10年強で10倍」の成績を上げた機関投資家向けの日本株ファンドマネージャーの銘柄選別基準は、「社会課題の解決」「新たな市場創出」ができる企業です。

例として、ソフト開発のジャストシステム:小中学生向けタブレットによる通信教育スマイルゼミで、ゲームのように楽しく学習できると会員数を伸ばしています。郊外等で業務スーパーを展開する神戸物産もダブルバガー銘柄で、同日本株ファンドの運用成績に貢献しているようです。


最後に「強気相場は悲観相場の中に生まれる」という有名な相場格言があり、上にも下にもなんとも難しい現在の膠着相場を、出口の見えない低迷か?、10年に一度のチャンスのどちらか?と問いかけており、「木を見ても報われない」時こそ、銘柄選別の眼を磨くべきかもと終わっていました。


私は、このファンドマネージャーがいうように、「社会課題解決型」と「市場想像型」を見つけるというのが、本当の株式投資の醍醐味だと判ってはいるのですが、これこそ「言うが易し行うが難し」で、そんな目論見通りいく確率こそ、1000に5つ、いや1000に3つくらいかもしれません。


ただし、自分で調べて、信じて、その企業のビジネスを応援して、多少のノイズ(上下の株価の動き)があっても、信念をもって保有し続けることが出来る投資家が、この投資の醍醐味と楽しみを味わえるのかも知れないなと思います。


そういえば、、、このネタ。。。以前にもこんな感じのトピックがありましたが、その時はもっと夢がある「10倍銘柄(テンバガー)を探せ!」でした。


記事はこちらです


※ダブルバガー:2倍銘柄、※テンバガー:10倍銘柄

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