2021/04/02日本経済新聞『世界の時価総額1.2京円』より
世界の株式時価総額が21年3月末時点で、約106兆ドル(約1京1600兆円)となり過去最高を更新。新型コロナのワクチン接種の進捗期待で投資マネーが株式に流入、時価総額は過去1年で約6割増えたとのこと。
株式市場は景気回復を先行して織り込むため、世界の株式時価総額は国内総生産(GDP)を大きく上回る水準となっており、このことが株式市場の過熱感の高まりに結びついているとの議論もよく目にします。
QUICKによると、世界の株式時価総額は106兆ドル、このうち米国が同7割増の約45兆ドルで、大規模金融緩和と財政出動によって株高が支えられています。株式時価総額は2020年12月末に約101兆ドルと100兆ドルの節目を超えました。
投資マネーは債券から株式に流れ、米10年国債の利回りはこの3カ月で、0.92%から1.74%に急上昇し価格は下落。マネーは「非代替性トークン」と言われる(恥ずかしながら私は初めて聞きました!)と言われるデジタル資産にも向かい、ブロックチェーン技術でアート、音楽の保有を証明するもので、個人投資家が投機の対象としているようです。
仮想通貨の代表例ビットコインも価格の裏付け資産がないにも関わらず、価格が1年で9倍に上昇。過熱感を心配する声もあり、IMFによると世界の名目GDPは91兆ドル(21年見通し)。株式の時価総額がGDPより大きくなっています。
株式時価総額をGDPで割った「バフェット指標」は117%と、過熱を表す100%を上回る状態で、リーマンショック前を超えています。 景気回復で先行した中国では投資マネーの勢いは衰えており、株式時価総額は20年末と比べて2%減少。これは金融政策引き締め警戒感によるものだとされています。 政策頼みの株高にはその賞味期限に疑問がつくと言われてもいて、(以前の同僚でもあった)UBSWMの居林さんは「FRBが金融緩和の縮小議論を始めると、流動性の枯渇が意識され、市場の雰囲気が変わるかも」とコメントしていました。 もはや経済や企業活動がグローバル化しているので、バフェット指標が100%超はヤバイというのが万全だとは思いませんが、、、この辺りの潮目の変化は確りとらえておかないと、いつまでも手放しでリスクを取り続けるのは危険だなと感じます。
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