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日本株の銘柄選択はやはり「王道回帰」


2021/01/26日本経済新聞『王道回帰「三高」に強み』より 日本株はバブル後の高値圏で一進一退。割安株の買いに早くも賞味期限が来つつある一方、コロナ市場をけん引してきた高成長テクノロジー株は高くて怖いとの雰囲気が…

そんな中で長期投資家が強気の見方を示すのが、①自己資本比率、②利益率、③資産効率が高い「三高」銘柄だとあり、それは財務が健全で安定した収益基盤を持つ「王道銘柄」の強さが意識されているとあります。 スパークスのFM武田氏は「爆発的な成長ではなくても、経済成長を上回る利益率(1桁から10%強)が期待できる企業は長期投資に堪えうる」とし、ご自身の運用する「スパークス新・国際優良日本株ファンド」の最新月報にも同じ表現があり、スポーツ向け自転車部品で世界シェア首位を誇るシマノの他、日本電産、ソニー、ダイキン等、世界規模で強い価格決定権を持っていたり、ビジネス展開にコミットメントが強いオーナー系企業に20銘柄程度に集中投資しています。武田氏はコロナ禍で急速に注目され株価が急伸したテック系企業には距離を置き、爆発的な成長ではなく、世界シェアを武器に安定成長を持続できる銘柄にフォーカスしてきました。つまり成長の持続力が大切という訳です。


※実際このファンドは比較的に信託報酬が高いにも関わらず非常にパフォーマンスが良好で、私の顧客にも日本株ポートフォリオのパートには必ず組み入れています。

この2年くらいは積立て買付では、外国株式インデックスさえも上回る程でした。

企業の稼ぐ力といえば、自己資本比率(ROE)ですが、これだけでは運用成果には結びついていないようです。高いROE銘柄で構成するJPX日経インデックス400は2020年3月末比では3割高と、日経平均株価の約5割高に比べて出遅れてさえいます そこで自己資本比率の高い銘柄を加味すると、、、日経JPX400採用銘柄のうち、自己資本比率上位20銘柄を見ると、同期間の上昇率は6割強と日経平均の5割を上回っています。上位銘柄には「トップクラスの世界シェア」企業が占めています。SMC:空気圧機器で世界シェア4割、ファナック:工作機器制御のNC機器で同5割を握るトップシェアカンパニーです。

「世界市場で価格決定権を持つ企業は有望」と野村アセットの担当者の話もありました。

ROEは、「利益率」と「総資産回転率」、「財務レバレッジ」の3要素に分解されます。

本来は高い自己資本比率は借入金を上手に使えてないためレバレッジ低下を招き、ROEの低下要因と言われますが、長期投資家は他の2要素(利益率、資産回転率)に関心を寄せているのが現状です。

野村アセットのFMは「低レバレッジでも安定成長銘柄は組み入れる」とするジャパンアクティブグロースでは5年平均でROEが10%程度を上回る銘柄を抽出、「利益で強さを、資本回転率で伸びを見ている」とのこと。組み入れ上位のキーエンスは、自己資本比率が9割超の一方、過去5期の平均ROEは14%と高くなっています。 こうした銘柄群はPER(株価収益率)が高いと指摘されますが、短期的な利益変動が大きい現在の局面ではPERはあまり意識せず、PERが高く割高でも高いROEが維持できるのであれば、買い増しにGOとする長期投資家は一定数存在しています。単純にPERやROEが機能しなくなる一方で、利益率、資産効率、自己資本比率といったROEを分解したその「中身」一つ一つを吟味しての銘柄選択が、この不安定な相場環境で勝ち残る道しるべとなりそうだと記事は終わっています。 普段は外国株式のファンド提案が多い私も、やはり日本企業も応援してお客様の資産形成に頑張ってもらいたいと心の片隅に思っているので、この記事は長期投資に適う日本の優良企業発掘という観点からとてもシックリきました。

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