• RYUICHI MOTOHASHI

運用者・投資家とも、今こそアクティブ投信の本質を考えるべき・・・


2020/08/04日本経済新聞『投信は運用能力の向上を競え』より 私見卓見より。この記事、例の「インデックス運用とアクティブ運用どちらが〇〇」といったようないつもの感じかなと思いきや、投資家である顧客と運用サイドである投信会社にとって、とても大切な論点となっていました。 近年の投信を取り巻く環境は、TOPIXや日経平均などの指数と同じ動きを目指すインデックス投信への人気化が顕著で、市場平均以上のリターンを目指すアクティブ投信の人気が相対的に低下しています。 アクティブ投信は専門家であるファンドマネージャーが投資先を調査・選別し、独自の考えで投資することにより、高いリターンを追求することを目的としています。 しかし、人気低下の原因は、長期的に市場平均に勝てるファンドが少ない点、投資家が支払うコストが高いことなどがあると言われます。市場平均以下の成績しか出せず、手数料も高いとくれば、低コストのインデックスで十分という考えはごもっともです。 アクティブ投信は、長期的にリターンが低迷している実情を真摯に受け止め、運用能力向上・改善に取り組んでほしいと提言しています。日系大手投信会社のFMの一部は、雑務に追われたり、一人で多くの投信を担当したり、株式市場に真剣に取り組むという点で、組織上の問題もあります。これはサラリーマン運用者のあるあるです。以前、敏腕FMが退社したり、テーマ型投信ブームが去って、会社として力が入らなくなった投信の運用を20代半ばの若手がいくつも引き継ぎ、「上司からの評価が下がるとボーナスがなくなるので、日経平均に大きく負けないように指数に寄せています」みたいなことを言う若手に会いました。当然このファンドの月次運用報告書はどこにでも書いてあるようなことだけです。 他方で、特に独立系や外資系は綿密な企業調査や高い専門性で、常に高いパフォーマンスを上げている運用会社もあります。 前者のような運用者には「運用能力の高さこそ、アクティブ投信の原点」という本質を大切に見つめ直して欲しいとあります。この筆者が危惧しているのは、綿密な企業調査、高い運用成績を残している投信が低コスト競争に巻き込まれてしまうことだと言っています。アクティブ投信こそ、安易に低コスト競争に陥ってはいけないと。 高い専門性、質の高い企業調査には、それに見合ったコストが必要であり、インデックス投信と比べて高コストになるのは当然です。 投資家としての顧客にも意識改革が必要で、「コストが低い投信=顧客のことを考えている投信」と簡単に考えるのは止め、「クオリティの高い投信は、それに見合ったコストを払わないといけない」と考えるべきではないでしょうか?こうした投資家の意識も、優れたアクティブ投信を正当に評価することにつながると思います。 投資家が全員インデックス運用に群がると、株式市場が正当な企業価値を評価する場でなくなります。高い専門性と綿密な企業調査そして独自の判断指標で企業選択を実践するアクティブ運用があるからこそ、適正な株価形成と株式市場の効率化につながっていくということは、疑う余地はないのです。 私もたくさんの運用者や運用会社にお会いしますが、皆さんそれぞれ独自の魅力とスキル鋭い感性があり、その素晴らしいアクティブファンドの魅力をお客さまにきちんと知ってもらうために、私も工夫をしています。 よって私のポートフォリオはほぼ全部株式のアクティブファンドですが、長く保有すれば必ずリターンが返って来ると実感しているので、高いコストを負担しているという実感はありません。全くの想定内の支払うべきコストと負うに値するリスクでしかないのです。

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