• RYUICHI MOTOHASHI

続・資産運用業改革!


2020/06/26日本経済新聞『少額投信の乱立「非効率」』より 日本の資産運用業の改革が遅れていると始まり、金融庁がこのほど公表した

資産運用業高度化プログレスレポート2020について触れています。 このレポートでは「小規模なファンドが乱立することによる高コストで非効率な国内市場の課題」「米国に比べ総じて運用成績も劣っている」点について指摘されています。 世界的に手数料が低い指数連動型のパッシブ運用やETFに資金流入が増加しており、手数料収入が減った資産運用会社は規模の拡大を目指し統合へ動いています。2月には米大手のフランクリンリソーシズによる同業レッグメイソンの買収があり、運用資産は約160兆円にのぼるとあります。 金融庁の報告書では、資産残高上位は米欧勢が占めており、日本は20位以内に1社もなく、国内勢では市場平均を上回るアクティブ型も株価指数連動のパッシブ型も両方とも運用成績が振るわない。運用効率を示すシャープレシオという指標の過去5年の平均値は米国に

劣っているようです。 運用効率は規模が大きいほど優れる傾向は明らかですが、日本は小規模な投信が乱立しており、1本あたりの平均残高は米国の1割に満たない状態です。 また新規ファンドの設定も多いのも特徴で、この背景を「日本は販売会社の力が強く、新規商品を相次ぎ投入してきた」と指摘しています。販売会社による新しいテーマ型ファンドで販売手数料収入に頼る取引慣行も、少額投信が大量に生まれてきた経緯の一つとも言えます。 (結構衝撃的な事実ですが・・・)

国内ファンドの約5500本のうち8割は運営コストを賄いきれておらず、中でも残高10億円未満のファンドはすべて採算割れに陥っています!商品数が多い=目論見書や運用報告書、月次レポート作成などの様々な手間やコストもバカになりません。 今回の金融庁報告書は投信の併合・持続可能な商品づくりも求めています。投信の併合はこの5月に初めて野村アセットの公募投信で行われましたが、2007年の信託法改正で可能になって以来、10年超経って初です。 さらに個別投信の運用成績の調査範囲も拡大し、私募投信や一任運用の状況も調べていくとのこと。実際の資産運用の状況について、パフォーマンスを客観的な指標で比較できるようになるのは良いことだと思います。 資産運用会社の企業統治改革も課題で、独立取締役の設置がなされているのが海外の資産運用会社ですが、日本は親会社出身の人材が経営陣の多くを占めており、この状態ではケイレツ親会社である販売会社(銀行・証券)の顔色を伺って仕事する傾向が強い、必ずしも資産運用ビジネスの経験や理解が豊富なマネジメントではないと金融庁も問題意識を持っているようです。 事あるごとに「真に顧客のために・・・」と枕言葉がついた金融サービスの気運が盛り上がるのですが、10年、20年たっても欧米に遅れているのは、1つの業界として「資産運用業」がきちんと市民権を得た産業になっていない、金融機関子会社のビジネスであることにも原因があるような気がしています。

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”ステイ・マーケット・・・”回顧録

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