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割高な日本株に動き始めた待機資金の行方…


2020/06/03日本経済新聞『動き始めた待機資金』より 好調が続く株式市場に過熱感を感じます。 米国では待機資金のMMFの残高が減り始め、リスク資産である株式に還流し、これがひいては日本の株式市場へと入ってくれば、日本株の一段高もと期待する声もあるようです。 しかし一方、急ピッチな上昇で短期的な相場過熱指標も点灯しており、企業業績面では良い材料がない中での株高持続は、何かの拍子に株価がドスンとなりそうな危険な雰囲気を感じます。 日経平均は20,000円台を回復したのは4月末、21,000円台に乗せたのが5/26、そこから僅か1週間後には22,000円を回復、今日6/3には続伸で22,600円台で終わっています。 けん引しているのは半導体など外需関連の成長株から、2日には証券、その他金融と物色も活発になってきているとあり、先週はこれまで調子が悪かった百貨店、広告、空輸なども比較的買われて「循環物色」の感じでした。循環物色は比較的相場が強くなっている時に見られる傾向です。 つい先日まで「この株価の戻りは短期的投資家の買戻し(個人の信用の買戻し、外国人投資家の先物買い)」とか言われていましたが、ここ直近は新規資金での買いもあると言われています。 東証の投資家部門別売買動向では、海外投資家は5月第3週(18-22日)に現物株式を6週間ぶりに買い越ししているようです。 大和証券によると米国では待機資金として積みあがっていたMMFは4カ月ぶりに減少しており、この資金が米国株へそして日本株市場へ流入しているとあります。 世界中の中央銀行の金融政策で巨額のマネーが市場にあふれ、その過剰流動性を考えればまだ過熱ではないとの意見もあるようですが、短期的には急激に割高な水準となり「コロナバブル」とも言える過熱状態の指標とも言えそうです。 例として、6/2の日経平均の25日移動平均(20,504円)からの上方乖離率は8.9%と約5年半ぶりへ上昇、5%を超えるといったん株価が調整されることが多いと言われます。 2020/06/03日経新聞より さらに上昇した銘柄数÷下落した銘柄数で算出する騰落レシオも150を超えており、3年ぶりの高い水準。これは一般的に120が過熱ラインと言われます 個別銘柄での業績予想を未定(出せない)としている企業が多い中では、予想PERという利益に基づく投資指標が機能せず、市場の勢いで株価が動きやすくなっているとの見方もあるようです。 運用会社のFMには「金融緩和が続く間は株高も続きそう」とみる方もいるようですが、やはり私としては企業の業績見通しが不透明、短期的に22,000円超えで回復が急すぎ、コロナの感染者が出ている中でワクチン・治療薬がまだ、米中の鍔迫り合いが再び、、、の中では、この楽観ムードは信用できないです。 先ほど日経新聞社の論説委員の方のウェビナーを聞いたのですが、やはり日経平均の急ピッチの上昇で過熱感あり、1,000円くらいの調整はあってもむしろ健全との、高値追いへの警戒は示していました。 ただこれだけ何でもありの財政・金融政策で「3月下旬のような二番底」はなさそう、PERではなくPBRでの底値探り、このコロナ後でも成長軌道に載せることができる企業や経営者はどこだ、、、という点には、まったく同感でした。 こういう先々が不透明な時こそ、伸びる・成長する企業が必ずあるはず。

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