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ウォール街VSメインストリート:景気回復の形は果たして「どんな型」か?


2020/05/28日本経済新聞ウォール街ラウンドアップ

『楽観論、実体経済とズレも』より

経済再開というニュースが相場上昇ムードをけん引しているのは日本だけではありません。米国でもNYダウが25,000ドルを超え、S&P500も3000ポイントを回復しました。 最近やはり米国のマインドはすごいなーと思っていたのは、こんな社会情勢でもクルーズ船大手や旅行関連、航空会社株も軒並み買われ、これぞアメリカのエンターテインメントだというウォルト・ディズニーがフロリダのテーマパークを7/11から開園するとの発表を待ちわびたように株価は上昇していました。

※私も@100ドルあたり(この水準で時価総額約20兆円:日本のトヨタと同じくらいで米国の巨大エンタメ企業の株主になれるならと)で、かなりお客さまにご提案しました。 こうした景気回復の先読み期待が強まる一方、最近のニュースは不況の最中の話題ばかりです。先だって破産申請したレンタカー大手ハーツについで、アドバンテージ・レンタカー親会社が破産申請、車で移動する米国ではレンタカー会社2社目の倒産。テキサス州のディスカウントチェーン、チューズデー・モーニングも破産と、いずれも個人消費低迷が原因。

よく「ウォールストリート対メインストリート(金融業界と実体経済にはズレがある」とは言われますが、ウォール街での楽観ムードが実体経済のメインストリートの状況からは大きく乖離していることを表しています。 株式市場は将来の景気回復を先読みして上昇するという原則は、現下のようなパンデミックの特殊事情による急激な景気悪化や株価下落時にも当てはまるのか?という議論もなされています。

米大手投資ファンドのストラテジストは、2008年の金融危機の時、雇用者数が危機前の

ピークに回復するまで76カ月(6年超)かかり、1933年以降の景気後退期の平均である

31カ月の2倍の時間を要したとしています。 コロナショックでは一時解雇(であるハズ)の雇用者の40%が永久解雇となる可能性を指摘する調査もあり、今回の景気悪化は金危機以上になるかもとしています。 景気回復がV字型かU字型か?どういう形になるかとの議論も盛んにおこなわれていますが、先のストラテジストは「√(ルート)型」だと言っているようです景気は急激に悪化した後、いったんは回復しながらも、その水準で長い間停滞してしまうという構図を示しての「√(ルート)」型なのでしょう。もう秀逸な表現で「拍手」ものですよね。

※実際の平方根はレの字に回復した後は横ばい線が続きます・・・ JPモルガンチェースのアナリストも「深く短い景気後退の後、打撃は大きく長きに渡る」と表現し、回復には長い時間がかかるとの見方です。 とすると最近の堅調な株式市場は、また景気の厳しい現実に引き戻されてしまうので

しょうか? これはまたその悲観論にはNoと反論し、「過去に起こったすべての景気後退期には、ブル(強気)相場は景気後退中に始まり、その時から2~6カ月後に景気は好転してきた」と

主張する強気派エコノミストもいる訳です

今回だけはパンデミックという特殊事情で違うのか、今回もいつものように課題を克服して回復軌道にすぐ乗れるのか。景気の先読み専門家のエコノミストへの、「かつてない難題」はどうなるのでしょうか? 今のところ第二波がない若しくはそれほど大きなダメージや再度のロックダウンがないとの前提では20年4-6月期が底で年後半から21年初に回復を見込む、、、というのがウォール街のメインシナリオの形(V字とはいかないまでもU字回復)ような印象なのですが。。。

これ自体、長年金融業界にいる私も「ウォール街寄り」の思考回路なのでしょう・・・

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