top of page

待ちわびても、、、株式市場の「二番底」が来ないワケ


2020/05/22日本経済新聞『二番底の深読み空回り』より 最近の世界の株式マーケットは、いい意味で大方の予想を裏切り、 一向に崩れそうにありません。 株価水準を決定づける経済のファンダメンタルズは最悪状態にも関わらず、戦後大悪の不況になると言われながらも、株価は3月下旬の急落後の戻りを試しています。 これまで「〇〇ショック」後の弱気相場では、ほぼ例外なく訪れていた「二番底」の経験側が利かない・・・米国バンカメによるグローバルファンドマネージャー調査(5月分)では、景気のV字回復を予想する回答は全体の10%程度どまり、対してU字型またはW字型回復の予想は約75%を占めています。 NYダウは3/23の安値から5/20にかけて32%上昇するも、この戻りについて「ベア・マーケット・ラリー=弱気相場の中のごく一時的な株価の戻り」と答えたFMが68%もいます。 このベア・マーケット・ラリーにおいては、株価は一番底より深い二番底(※本来の二番底というのは、最初の一番底よりも浅い下落を指します。ですので新たな次の底ですね)に向かうことが多いとされています。 ある調査会社のエコノミストは1950年以降16回あった米国の弱気相場のうち、15回で株価は一番底の1~3カ月後にさらなる深い二番底をつけていたとしています。 今回はどうして二番底が来ないのか? これは「今回はいきなり景気の底が見えてしまった」からと言われています。通常の景気後退局面では、底入れまで1年前後はかかり、財政・金融政策は小出しにされて出動されてくる。そのため市場はどんどん次なる政策を催促して、その間株価はずっと下がっていきます。 3月のコロナショックでは、ウィルス感染拡大を封じるために各国は人の動きを止め、経済は人為的にストップされて景気は崖を落下するように急速に悪化しました。これに対し各国は何でもありとも思える財政・金融政策を発動、景気の底が見え可能な限りの対策が打たれたと市場は感じたために、株価はこれ以上の下落はなくなったと思うのが妥当です。 リーマンショック時は2008年11月に一番底をつけた後、09年3月に二番底をつけました。

もし今回も同じパターンだとするとコロナ後の二番底は7月頃という予想になりますが・・・ しかし3/23の安値が大底だったと考えれば、09年の3月の二番底が今回3月の底を重ねるのがフィット感があり、この前提でチャートを重ねると、今の戻り相場は09年3月の二番底を打った後の形をそのものに見えると記事では分析しています。 勿論このまま順調に戻り軌道となるかはわかりません。経済再開後の第二波の可能性も否定できず、米中で再度さや当ても始まっています。 待っていてもなかなか下がらない株価に、弱気派もそろそろ焦りを感じ始め、手元のキャッシュで投資を再開すると、ますます待ちに待った「二番底」は遠のきそうな感じだと言っていました。 まだまだ変動が大きくなりそうな不確定要素はありそうだとは感じながらも、世界で第二波を想定している中では、3月のようなパニック売りによる急落は多分起こらないのではないかなと思っています。

最新記事

すべて表示

2021/06/30日本経済新聞『米長寿投信から個人マネー流出』より 運用歴の長い世界の著名投信から個人の資金が流出しているようです。株式投信の21/01月~05月の資金流出入を調べた調査では、流出上位は歴史ある米国のアクティブ投信が並び、個人投資家は低コストのインデックスファンドを選ぶ流れが鮮明になっているとあります。 モーニングスタダイレクトのデータを基に資金流出入を集計(クローズドエンド

2021/07/03日本経済新聞『広がる「高所恐怖症」』より 連日高値更新の米国株式市場で広がる「高所恐怖症」・・・ 米シカゴ・オプション取引所が算出するスキュー指数は6/25に170.55と過去最高を更新。 継続的なインフレ懸念やIT株の割高感といったいろいろな懸念が重なって、起こる可能性は低いが、起こると株価急落を伴う「テールリスク」の警戒に繋がっているとあります。 スキューは別名ブラ

1年前の6月のトピックを読み返してみました。 投資で確りリターンを取り損ねない大切な大原則は、 市場に居続ける=一度投資してリスクをとったら相場の上下で無用な売買をしない≒何もしない というとても「シンプル」なものです。 市場を相手に、何人とも(著名アナリストもプロのファンドマネージャーも、ましてや個人の投資家も)先は読めません。 であればいっそのこと、先読み等無駄なことはせず、長期でどっ

bottom of page