• RYUICHI MOTOHASHI

伝統的アクティブ運用の好調に 「目利き」復活の予感…

2020/02/08日本経済新聞 『復活する「目利き」運用』より


株式市場で人間の目利きによって投資先を選別する「アクティブ運用」に復活の兆しがあるという、最近の資産運用関連トピックスにおいては少し珍しいテーマです。


ESG(環境・社会・企業統治)重視の流れの中企業経営の変化を察知する対話力が運用成績に直結しやすくなってきており、新型肺炎などの特殊イベントが続き、過去データに依存する機械的運用が苦戦する中、再び人間の感性が光るアクティブ運用が脚光を浴びるかも

しれないとあります。


伝統的なアクティブ運用優位が目立ち始めたのは2019年からのようで、野村證券の国内外の日本株ファンドの運用成績に関する調べでは、18年は伝統的アクティブ、クオンツアクティブ(機会的投資手法)、スマートベータとも市場平均を下回る成績、19年は目利きを活かした伝統的アクティブが市場平均を上回り、20年も1月末時点で後者2つの戦略をリードしているようです。


目利き復活の要因は、投資先選びで「経営者の意思」の見極めが重要になってきているからです。米中の問題、新型肺炎の影響等、前例がなく先が読みずらいイベントに企業がどのように対応するかは、過去のデータからはなかなか読み解くことは難しい。


企業統治の改革は、ようやく日本で本格化し、企業との対話の重要性が高まっています。親子上場の解消・モノ言う株主への対処など企業経営者の対応力や姿勢は、過去データからは判断が不可能で、やはり人間による目利きが大切になってきます。


かつてのような財務指標だけではなく、環境・社会との共生や様々な利害関係とのコミュニケーションが重視される資本市場となり、その中にある企業の変化を探る投資マネーによって、企業調査における人間味が復活してきたと指摘しています。


金融危機以降、伝統的なアクティブ運用は「市場平均と差がないのに、手数料が高い」と言われ、最近は下火になっていましたが、日本企業の「変化を買う」局面が続くと、アクティブ運用への資金回帰となる可能性も、、と記事は終わっていました。


金融危機を機にスターファンドマネージャーが去った後、ほぼ日経平均のような運用になったり、思わぬ人気化で大量の資金流入となり運用成績が急速に悪化してしまう残念なアクティブファンドがある一方で、地道な得意分野だけの調査によって確信度の高い銘柄だけに集中したり、株価や経営にコミットするオーナー企業への投資に限定する意思を感じるアクティブファンドも存在します。


AIやロボットによる過去データの分析も大切ですが、企業の目利きは人が行うという基本を大切にするという「ヒトの感性」に再び焦点があたる風潮は、少し嬉しい話題です。

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