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いつか見たデジャブ…「今、買う理由」探し


2021/01/23日本経済新聞『買う理由探し、市場躍起』より 29,000円台手前で一進一退を繰り返す日経平均株価ですが、投資家の買い意欲は衰えず買う気は満々みたいです。海外株式に比べてまだ日本株は出遅れ感があり、昨年11月からは日経平均株価で5,000円超の上昇がありながらも、想定以上の株価の戻りに出遅れてしまったと考える投資家の中には「今買う理由」を探している方々もいるようです。 22日の東京市場の日経平均終値はやや反落(125円程度)の28,631円で終え、年初からの急上昇からは一息という印象です。スイスのピクテのコメントは「日本株は国際比較では割高ではない」として、その発言の根拠として独自算出の総合的バリュエーション指標が出ています。これは12カ月先PER(株価収益率)、PSR(株価売上高倍率)、リスクプレミアムなどの5つの指標を複合し、国・地域ごとの数値を高い順に並べるて算出しているようです。

日本株の数値は42%、過去平均を指数(50%)に比べてはやや割高ながら、米国12%、欧州27%との比較では「今まだ買える」との判断とのこと。 そして債券との利回り差を示す「イールドスプレッド」の観点からも強気の解釈も多くなっています。10年物国債利回りから株式益利回りを引いた値は、最近では東証一部ベースでマイナス約5%、3年平均である約7%を上回っているとあります。割高方向にありつつ、そう考えない投資家は「景気が回復局面にある中では、企業は収益の成長期待が強まってマネーは株式に向かいやすい」というのは国内運用会社の言。

※確かに国債の利回り水準は日米とも以前と大分違いますしね。 (これは私はあまり・・・ですが)テクニカル面でも「買う理由」はあるとして、東証一部上場銘柄のうち200日移動平均線を上回る銘柄は全体の68%と過半となっており、アベノミクス開始の13年、トランプ政権誕生の17年の株高局面はこれが100%近い水準、つまり全銘柄近くが200日移動平均以上にあったことからも、今の株価の居どころは上昇余地がありそうというのが見立てです。 こうした独自の判断や解釈の広まりは、伝統的指標だけで今の株高を正当化できない局面になってしまったとあります。QUICKファクトセットでは、予想PERは22.6倍過去10年平均の16倍を大きく上回っています ※概ね日本株の場合はPER13倍から16倍くらいのレンジが多かった期間すらありました・・・

国内運用会社の割安株投資の方は「既に割高な成長株をさらに買い上げるのはムリがありそう」と言っています。1980年代の不動産バブル、2000年前後のITバブル期は投資家は「買うための理由」探しに躍起になっていました。前者では製造業の工場なんかの含み益まで無理くり投資判断に入れましたし、後者では「ドットコム」が社名に入っていれば、ドラッグストアみたいな会社も株価がグーンと上昇していました・・・ 今の投資環境は金融緩和のカネ余りから投資家のお財布はパンパンであることには間違いないのですが、「買い続けるための正当な理由がますます必要になっていますよ」と少々苦言を呈しながら、真っ当な論点の気がします。

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