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執筆者の写真RYUICHI MOTOHASHI

老後の備え2000万円問題で動きだした機運を大切に…

2019/12/25日本経済新聞『2000万円老後へ「自助」の運用本格化』より


紙面に大きく2000万円。2019年は6月の「老後には2000万円が必要」とする金融庁の報告書をキッカケに個人マネーの動きが大きく変わった節目の年となり、公的年金だけに頼らず、「自助」のため投資を始める個人が急増したとあります。


積み立て投資への資金流入年ベースで1兆円を超えており、息の長い安定的な資金流入となる個人の積立投資は今後の市場環境の拡大に期待されています。若い現役世代の方を中心に、「老後に向けて時間をかけ資産を作ってゆくためには積立投資」という考え方が普及しつつあり、その具体的取組み手法や商品選択、つみたてNISAやiDecoなど制度に関する勉強熱心な方も多くなった印象です。


積み立て投資への資金流入は、大手インターネット証券5社の11月の積み立て額&独立系運用会社4社の直販分合計で300億円を超えているとのこと。公的制度ではつみたてNISAの7-9月の3ヵ月買付額の月平均が185億円、イデコは専用投信の1-11月の月平均流入額が560億円と、この合計額では1000億円超え、×12ヵ月した場合の年換算では1兆2000億円規模になるとの推計


ただしより大きな視点で見ると、、、まだまだ道半ば。


日銀の資金循環統計では9月末時点の家計金融資産1863兆円のうち、株式・投信等のリスク資産は269兆円と全体の14%2000年の11%前後からあまり増えていないとあります。

特に(ETF除く)投資信託では、アベノミクス相場の株高を考慮しても殆ど増えていないようです。


よく比較対照される米国では確定拠出年金(401K)を中心に個人が自助による資産形成の意識が強く、個人金融資産89兆ドル(約9800兆円)のうち、リスク資産の割合は5割弱を占めているとされています。


日本では、若年現役層には長期・積立の資産形成の意識が高まる一方で、高齢化によるリスク資産からの資金消滅も多く見られるとあり、「相続等の際に証券口座に資産が7割残れば良い」との国内証券の声もありました。

高まる若年層投資家への資産運用への興味・関心を実際の投資行動に結び付けるべく、金融サービス事業者もいろいろなサービスを展開しています。スマホ証券、ポイント投資、ロボットアドバイザー、手数料無料化等々。。。


また制度面でもNISAは、24年から低リスクの投資信託(ってあるのかな?)に限定した積立枠を前提とした「新NISA」への移行のようですが、かえって複雑化しそうな印象です。

イデコも受給開始年齢の上限を70歳から75歳へ引き上げも検討中とされています。


投資家の意識変化や裾野の広がりには、利用者する投資家にとって分かり易くて・使い勝手のよい永続的な制度設計がポイントだと思います。

利用するのはあくまでも個人の生活者なのですから・・・

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