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日本株市場からスターが誕生しないワケ

2019/11/16日本経済新聞 『細る株価10』銘柄


この調子だと年末24,000円を窺う好調な日経平均株価ですが、市場のダイナミズムを映す急成長株の存在感は薄れつつあるとあり、株価10倍!「テンバガー」を今年に達成した銘柄数は昨年の半数

日本株市場は大型株の割安修正、企業業績底入れ期待などで回復基調のように見えますが、新しい急成長株が次々と出てくる勢いと相場の持続性は期待しにくいようです。


連日紙面に大きく登場しているZHD(ヤフーの前身)とLINEの経営統合協議入りですが、かつてヤフーは急成長株の代表銘柄で、インターネット検索の圧倒的シェアを持ち、

1997年の店頭公開から05年末の上場来高値までに株価は500倍に達していました!


最近はスマホ対応で出遅れ低迷、LINEとの統合で相互送客、ビジネスのシナジー効果も期待されますが、かつてほどの株価の勢いはありません。最近は株式市場での急成長株「スター誕生」はなかなか見られない現象です。


近年の日本株市場で、19年の株価が直近5年間の安値に比べ10倍以上になった銘柄は46銘柄。うち19年になってから初めてテンバガー銘柄となったのはソフトウェア試験のSHIFT、通信機器レンタルのビジョンなど16銘柄のみ。18年比で半減、17年比でも1/4の銘柄に減少、株価が2倍の「ダブルバガー」や3倍の「トリプルバガー」銘柄も減っているとのこと。


急成長株誕生の機会が減っている理由として、人口減少が進む日本では成長のパイが限られており、「海外に手を広げないと成長が小粒にとどまってしまう」という運用会社のコメントがありました。


目を転じて米国市場では、米アップルの株価は過去5年で2.2倍、マイクロソフトが3倍など、最大の時価総額を競っている超大型銘柄でも株価を大きく伸ばし、株式市場を引っ張っています


※以前、私がUBSのPB時代にグローバルIPOに関わった「VISA」当時は@20ドル台だった株価は、既に8倍~9倍の180ドル台目前と、もう少しでテンバガー銘柄入り目前です



日本ではテンバガー予備軍の中小型株の成長性に投資家が自信を持ちきれないことも一因ではないかとあり、19年に入って中小型株ファンドから毎月数百億円規模での資金流出が続いています。


今年は「中小型株の不振→個人投資家の投信売却(利益確定できるうちに売り)→資金流出に対応するための運用会社の中小型株売り」という悪循環に入ってしまった1年となりそうで、このような状況では株価10倍「新たなスター誕生」は難しい・・・


新規上場直後や経営刷新、合併・買収といった瞬間的な株価へのインパクトのあるニュースばかりを追いかける投資家マインドではなく、真に価値ある事業モデルや成長性を辛抱強く応援する投資スタンスが定着しないと、米国のように息の長い株価〇倍銘柄:〇バガー銘柄は、なかなか見出しにくくなってくるのかも・・・ なんて感じたトピックスでした。


以前のテンバガー銘柄記事は → こちら

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