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米国の7-9月期、経済成長率1.9%…この先は 成長 or 失速 ?

2019/10/31日本経済新聞 『米1.9%成長 企業心理悪化』より


米商務省発表7-9月期の実質GDP速報値は、前年比年率換算で1.9%増、内訳は個人消費と住宅投資が伸び前期比(2.0%)並みをキープ。一方設備投資が3.0%減と2期連続マイナスと米中貿易戦争による企業心理が悪化しつつある結果であることは明白です。

米国経済動向は定点観測しています。成長率は潜在成長率並みの2.0%弱程度、この7月には景気拡大局面が11年目に入り、失業率は3.5%と50年ぶりの歴史的低水準、GDPの約7割を占める個人消費は堅調で、雇用拡大が家計支出増加のサポート要因となっている状態です。


しかし、企業部門の設備投資3.0%減は、約4年ぶりの大きなマイナス幅、輸出も0.7%増にとどまることから、前期からの持ち直しが見られない状況です。かねてからの貿易問題で、製造業の景況感は10年ぶりの水準まで落ち込み、先行きの不安感は強そうな印象です。

特に中西部など13州では製造業の就業者数が減少しており、来年秋の大統領選の激戦区であるミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州の大きな落ち込みは、選挙の趨勢に波乱要因になり得るかもというトピックスは以前にも紹介しました。


10年続いた好調米国経済は、「さらなる成長」と「ついに失速」の岐路にあるとされています。トランプ氏にとっては大統領選のある20年に景気後退は最も避けたいシナリオで、中国との貿易交渉で「部分合意」を探ると、一部関税引き上げを先送り。FRBへのプレッシャーで景気減速への先手となる「予防的利下げ」を決断の材料となり、米国景気の後退入りは当面回避できました。市場で観測された景気後退サインとされる10年債と3ヵ月債の利回り逆転の「逆イールド」は10月にはいったん解消。先般、米国投資銀行MSやGSリサーチでも、2020年半ばまでに景気後退に陥る予測は24%程度まで低下して、過度な悲観論も当面和らいできています。


本記事の最後に「米国経済の先行きは外需にかかっている」とあり、インテルの好決算に見られるような世界的な半導体市況の底打ち感の兆しは好材料でしょう。ただし外需のカギを握る海外景気こそ、発言が不規則で危ういトランプ氏と中国との貿易摩擦次第であることを忘れてはならないと思います。この2国間の経済摩擦で世界経済が減速することにより、世界中の経済活動の付加価値であるGDPが50‐60兆円※も消滅してしまいます。


※全世界のGDP減速予想額:9,000兆円×0.6%(2018-2019予)で約54兆円で試算すると、日本のGDPの約1割が無くなってしまうのです!


以下、FAの独り言・・・


明日11/1からの日経新聞「私の履歴書」コーナーはファンケル創業者の池森賢二さん!

大昔に池森さんの側近からコソッと貰った絵本「優しさと感動のこだま」を自宅の本棚から引っ張り出して読んでみました。やはり、何度読んでもいろいろな人との出会いや出来事を大切にする池森さんのお人柄が伝わり、また1ヵ月の新聞の楽しみが出来ました(笑)。

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