• RYUICHI MOTOHASHI

投信低コスト化の流れ、でも、もっと大切なのは「〇〇なコト」

2019/09/29日本経済新聞 『低コスト投信 資金集中』より


投資信託の選別基準において、運用コスト(信託報酬)重視の動きが強まっているようです。昨今の投資家で存在感を高めているのは若年層で、こうした投資家は総じて金融リテラシーが高く、金融商品のコストに敏感です。実際、1-8月のインデックス型ファンドの資金流出入のリサーチでは、信託報酬が0.2%未満の最も低いカテゴリへの資金流入が1,000億円超と、最も大きかったという結果でした。


このような動きを受けて、運用業界でも投資信託の信託報酬の引き下げが相次いでいます。コスト意識が強い若年層の投資家の間では、公的年金をあてにせず将来不安の解消を目指し、自助努力で老後資金を形成しようという意識が強く、投資信託による「積み立て」を始めるケースが多くなっています。比較的長期での資産運用として取り組むこの手法では、投信を保有する期間ずっとかかり続ける信託報酬は、長期での運用成績への影響が大きくなるため、「信託報酬を極力低く抑えたい」との動きにつながっています。運用会社でもこの流れを受け止め、信託報酬の引き下げや最低水準の新商品の開発が相次いでいます。

アセットマネジメントOne「たわらノーロード先進国株式」は10月から信託報酬を0.0999%に引き下げ、MSCIコクサイ・インデックスに連動する同種の投信としては業界最低水準になる模様です。SBIアセットマネジメントは9/26から「SBI全世界株式インデックス・ファンド」の信報を0.067%に引き下げ、大手の三菱UFJ投信でも同様の動きもあります。以前のような短期的な上がった下がったにこだわる投資家から、このような長期で着実な資産形成を重視する投資家が増えて来ていることは、とても健全で良い動きだと思います。


しかし、資産形成で本当に大切なのは、何に投資するのかという商品や販売手数料・信託報酬等のコストではなく、長期・積立・分散投資を「長く続ける仕組化」です。資産形成・運用は市況や経済環境によって損益が左右されますので、途中で挫折してしまう方もとても多く、結果として「着実に老後資金を貯める」という目的が達成できないケースが多いのが現実です。ペースを上げたり落としても(積立金額を増やしたり減らしたりしても)簡単には途中で止めない、時々自分の体の調子を確認しながら(運用状況を時々チェックしたり、資産配分を変えたり)、でも最後まで走りきる。。。


資産運用が、どこかマラソンに似た持久戦でもあると言われる所以です。

最新記事

すべて表示

低コストの「指数連動ファンド」至上主義で本当に良いのか?

2021/06/30日本経済新聞『米長寿投信から個人マネー流出』より 運用歴の長い世界の著名投信から個人の資金が流出しているようです。株式投信の21/01月~05月の資金流出入を調べた調査では、流出上位は歴史ある米国のアクティブ投信が並び、個人投資家は低コストのインデックスファンドを選ぶ流れが鮮明になっているとあります。 モーニングスタダイレクトのデータを基に資金流出入を集計(クローズドエンド

「黒い白鳥指数」ついに過去最高!でクマさん出るか?

2021/07/03日本経済新聞『広がる「高所恐怖症」』より 連日高値更新の米国株式市場で広がる「高所恐怖症」・・・ 米シカゴ・オプション取引所が算出するスキュー指数は6/25に170.55と過去最高を更新。 継続的なインフレ懸念やIT株の割高感といったいろいろな懸念が重なって、起こる可能性は低いが、起こると株価急落を伴う「テールリスク」の警戒に繋がっているとあります。 スキューは別名ブラ

”ステイ・マーケット・・・”回顧録

1年前の6月のトピックを読み返してみました。 投資で確りリターンを取り損ねない大切な大原則は、 市場に居続ける=一度投資してリスクをとったら相場の上下で無用な売買をしない≒何もしない というとても「シンプル」なものです。 市場を相手に、何人とも(著名アナリストもプロのファンドマネージャーも、ましてや個人の投資家も)先は読めません。 であればいっそのこと、先読み等無駄なことはせず、長期でどっ