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「円高恐怖症」という日本特有の病…

2019/09/19日本経済新聞 『円高恐怖症を考える』より


マーケット欄:大機小機のコーナーに日本人ならではの病?:円高恐怖症についてのコラムがあります。記事によると、この円高恐怖症は日本人のお家芸のようなもので、円高が進むと多くの人が不安を覚え、政治家センセは「何とかしろ」と政策対応を要求します。

ただ本当に円高よりも円安の方が望ましいのでしょうか?と疑問を投げかけています。


まず円高は経済に多様な影響を及ぼします。輸出という観点からは輸出価格を引き上げたり、輸出から得られる円の手取り額が減ったりとマイナスの影響となります。一方で輸入という観点からは円高分だけ価格が下がりますので、プラスの影響となります。海外投資という観点からは円高は海外への投資はしやすく(投資金額は少額で済むため)なる一方、既に行った投資先からの収益の円で考えてた受け取り額は減少します。


こうした様々な角度から影響は異なって然るべきだと思いますが、円高のマイナス面が過度にハイライトされた論調が多くなるのは、その前提となる経済認識に偏りが大きいことが理由だとあります。


偏り①:家計(消費者)より企業(生産者)を重視するバイアス。円高は家計にとって、輸入品は安くなり、海外旅行にも行き易くなります。交易条件が改善されてくるため家計にはメリットが大きく、円高を恐れる理由はあまりないのです。円高恐怖症は専ら企業からの視点だと言えましょう。


偏り②:輸入より輸出を重視するバイアス。円高は輸出企業にとって、売り上げの円ベースの金額は減ったり、外貨ベースでの値上げを余儀なくされるという点で逆風となります。一方で輸入企業は、値下げをして販売量を増やすこともできるし、価格据え置きで円ベースでの手取りを確保するという選択もあります。

今や輸出企業も原材料や部品を海外からの輸入に頼っている面も大きいため、円高が一方的に利益に悪影響を与える要因だということではないでしょう。


偏り③:海外生産より国内生産を重視しすぎバイアス。円高は国内で作って国外に輸出しているという企業にはマイナスですが、海外で作って海外で売るという企業活動にとっては、ほぼ影響はありません。今や日本の企業でも、国内での人件費上昇を吸収するために、海外での生産も盛んに行われています。


冷静に現在の企業活動や変化する経済事象を考えると、円高恐怖症という日本人ならではの病は、旧来型の国内生産、輸出企業主導の経済観が生み出したレガシー病・症状なのかもしれません。


実はこの論点、、、今月2度目の登場でして、9/14にも「日本人の円高恐怖症」と紹介されており、このトピックでは主に金融政策面からの論点でした。

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