共同通信社 2023年2月経済ウイークリー
ライフセミナーQ&A
金利は経済の体温計
Q.最近、「金利」についての話題が多く、とても気になるのですが…
A.日々のニュースなどで目にする機会が多い株式や為替市場に対して、
金利は一般の生活者や個人投資家に馴染みが薄くて地味な存在です。
しかし、経済の「体温計」とも言われる金利こそ、景気動向から投資行動に至るまで、
様々な経済活動の土台となる大切な指標でもあります。
とりわけ大切なのは1年未満の短期金利や1年以上の中期や長期といった
期間毎に異なるメカニズムの違いでしょう。
現在の景気や物価動向を反映して日銀や米連邦準備制度理事会(FRB)など
中央銀行による金融政策で決まるのが短期金利。
将来の経済見通しを映して10年国債市場の需給で決まるのが長期金利です。
最近は、経済正常化とインフレ抑制の為、短期金利引き上げを急ぐ米国FRBの断固たる姿勢と、
短期金利のみならず10年国債の買い入れを通じて長期金利も低位に抑えてきた日銀が一転、
昨年末に長期金利の変動幅を拡大した「変心ぶり」が話題となりました。
10年国債の利回りは、その通貨での投資においてリスク無しで得られるリターンから、
リスクフリーレートと言われ、全ての投資リスクの礎となっています。
企業の財務状況が加味される社債の利回り、
業績動向や成長性・配当利回りなど株価の妥当性評価もリスクフリーレート+α
(資産に応じたリスクの上乗せ)で決まります。
地味ではありながら、少し動き始めた経済の体温計にも目配りが必要になってきました。
(資産運用アドバイザー 本橋竜一)
【掲載新聞名】
各地方新聞社紙面
資産運用・経済コーナー掲載