共同通信社 2024年9月経済ウイークリー
ライフセミナーQ&A
2024年に輝く資産…編
Q.最近「金」への投資が話題になりますが…
A.2024年はオリンピック・パラリンピックイヤーです。
アスリートの皆さんが目指すのは世界一の証である「金メダル」ですが、
昨今は世界中の様々なプレーヤーから金(ゴールド)に熱い視線と資金が集まっています。
特に今年に入りドル建て金価格は1トロイオンス(約31.1g)あたり2400ドルを超え、
史上最高値圏での推移となっています。
※2024年8月末時点では約2500ドル/1トロイオンスを超えています。
この現代ゴールドラッシュの主なプレーヤーの一つは、中国やロシアなど新興国の中央銀行です。
世界一の経済大国である米国の基軸通貨ドルは、財政の悪化によってその信認が揺らぎ始めるかも…
という不安の高まりから、「無国籍通貨」として金の保有へと行動変化が目立っています。
経済制裁としての米ドル資産凍結も、新興国中銀の金投資を助長したといえます。
さらに投資家というプレーヤーの資金も様々な動機や形態で金へと向かっています。
世界各地で生じる紛争の地政学リスクに備える「安全資産の金」として、
今後米国はFRBによる段階的な利下げが始まる金融環境の変化の裏側で、
利息がつかない金の投資妙味は高まると考える長期投資家のマネーが向かいつつあります。
彼らの投資行動は金関連ETF(上場投資信託)への資金流入に現われています。
有事の備えや資産の分散投資先といった様々な思惑マネーが向かう2024年の金はその輝きを増しています。
(独立系ファイナンシャルアドバイザー 本橋竜一)
【掲載新聞名】
各地方新聞社紙面
資産運用・経済コーナー掲載