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執筆者の写真RYUICHI MOTOHASHI

今やESG投資はハイテク企業(GAFAM)の買い?


2020/07/11日本経済新聞『ESG=ハイテク買い?』より 夕刊ウォール街ラウンドアップに、ESG投資はハイテク銘柄への投資の構図に近いという

トピックです。

先週(7/6の週)は米国アップルやアマゾンドットコムといった大型ハイテク株への投資が週末まで続き、IT企業比率の高いナスダック総合指数は週間で4%上昇、昨年比で同指数は18%の上昇、NYダウ30種は9%下落とその差は鮮明となっています。 コロナ禍での企業業績への影響が比較的小さいとの見方から、ハイテク関連銘柄が特に好まれ買われている印象です。今や世界で時価総額1兆ドル(約107兆円)を上回る企業はサウジ国営石油会社サウジアラムコ以外は、アップル・マイクロソフト・アマゾン・アルファベットの米国巨大ハイテク企業4社。そしてこの米国4社にハイテク産業以外の意外な共通点は、ESG投資の上位組み入れ銘柄である点です。 2020年1-6月にESG分類のETFには150億ドル超の資金が流入しており、半期ベースで過去最大となった模様。特に米資産運用最大手ブラックロックが運用する「iシェアーズ・ESG・MSCI・米国ETF」には約1/3の53億ドルが流入したとあります。


そしてこのETFの組み入れ銘柄の上位5社は、アップル・マイクロソフト・アマゾン・フェイスブック・アルファベットのGAFAM5社。バンガードなど他ETFもほぼ同じであり、

5社の組み入れ比率は約20%、もう少し広くとらえた業種別でも情報通信が3割となって

います。 まさにESG投資=ハイテク投資の構図そのものです。

とは言えこの構図、多くの機関投資家がベンチマークとする米国S&P500ともハイテク株比率あまり変わらず。これはESGといえ、運用成果を上げるためには上昇率が高い米ハイテク企業を組み入れざるを得ないことを映しています。 日本のGPIFもESG投資を採用し、19年度の運用実績において、20年3月末までの1年間でESG投資を2兆円増やす反面、TOPIXなどに連動するパッシブ運用は減らしています。

今後もこうした指数連動型パッシブ運用を減らし、ESGというテーマだとして一部の巨大米国IT企業への投資も継続しそうです。 現在のマーケットで割高感が強いハイテク企業への投資が正当化されているのは、金融緩和で資金が大量に投資家の手に渡ってカネ余りに状態になっていることに他なりません

まだまだこの資金余剰状態が続くとされるのであれば、

「第二波が来て下がったら買おう」、いや「買えないと困るから下がらなくても買っておこう」と考える投資家が多くなっているのも十分理解できます。 とは言え、先日ご紹介した通り、投資家の警戒感である「VIX指数」は高いままですので、ご用心を・・・

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