• RYUICHI MOTOHASHI

決算から見るランキング:日米欧企業の利益額編

2020/02/20日本経済新聞『日米欧企業、回復力に差』より


2019年10-12月期の世界企業の純利益は、前年同期比で16%増と5四半期ぶりの増益に転じる中、日米欧の企業間では回復力に差が出ているとの気になる記事です。


日本企業の12%減に対し、米国企業は25%増、欧州企業は18%増と日本企業は欧米企業に大きく水をあけられています。


そもそも日本企業は米中貿易摩擦や景気減速の影響を受けやすい製造業の比率が3割程度と欧米の2割を上回っている点、最近の新型肺炎の影響も加味されて、日本の低迷は長引く可能性も出てきています。


QUICK・ファクトセットによる19年10~12月期の純利益集計では、利益を伸ばした業種と減らした業種の構造は日欧米で大きく異なっていました。


米国では増益額が約1兆7000億円と首位となり、全体をけん引したのは情報通信マイクロソフト、アルファベット、フェイスブックの3社で約3兆2000億円と米国全体の約1割を稼いだとされています。プラットフォーマーとして強い顧客基盤はマクロ経済環境に左右されずに成長している結果です。


情報通信の増額2位はマイクロソフトで、純利益は約1兆2700億円と3000億円程度の増加。政府や金融機関向けにクラウド事業を伸ばし(最近アマゾンを猛追中!)、PCでもウィンドウズ7の更新需要の高まりが寄与したようです。


欧州で最も利益を伸ばしたのは金融。純利益は3.3倍に増加、社数でも3社に2社が増益となり、欧州企業の純利益総額に占める割合は36%と金融の好調が全体の押し上げ役となっています。地銀を始め、低金利や重い固定費に苦しむ日本の金融業とは正反対だとのコメント。


日本の増益額首位はトヨタ自動車で、同社の純利益は7380億円と自動車業種の6割強を稼いでいます。原価低減や前年同期に存在した株式保有評価損がなくなったことが寄与したようです。ただトヨタだけでは日本の総純利益額の12%を占めるにすぎず、全体のけん引役には力不足でした。



一方で減益額が最も大きい業種は、米欧ともエネルギー・資源関連企業で、資源相場の低迷で採算が悪化する企業(米石油大手シェブロン、英欄ロイヤルダッチシェル等)が目立ったとあります。


日本の減益額首位情報通信企業で、ソフトバンクGは純利益額550億円と6432億円の減益、原因は10兆円を運用するビジョンファンドの評価損の計上。他電通・ディーエヌエーは海外ビジネスが軌道に乗らず、のれん減損がマイナスのインパクトとなったという結果でした。この点は米国と全く逆で、日本では純利益総額の11%を占める情報通信がけん引役にはなれていない状態となっています。


さらに懸念が広がる新型肺炎の影響も、中国との経済の結びつきが強い「日本企業の方が欧米企業より影響が大きい(日系証券エコノミスト)」と声もありました。


世界的な産業構造がモノづくりからサービスへと変化する中で、まだまだ製造業主体の日本企業が海外企業に置いていかれる状況は続くのかなあ、、、などと感じます。

(メイドインジャパンの製品って海外の方から人気あるんだけど・・・)

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