2020/01/22日本経済新聞 夕刊 十字路『「株式貯蓄」再び?』より
日米とも企業決算の時期に入り、個別企業の業績や株価に関する記事を多く目にするようになった気がします。
1/22夕刊の十字路に、個人投資家の「株式」への投資が、どのように変遷してきたかを、、マネックスの大槻氏が独自の視点で紹介しています。
タイトルは「株式貯蓄」再び?
1980年代は個人の株式投資家が減少しており、この状況に対し当時の証券会社が編み出したのが、「株式貯蓄」という言葉だったと言います。
比較的リスクが低い優良株への長期投資を個人に促すという戦略で、「蓄える」という語感で安心を連想させるしたたかな手法に思いますが、今思えば大胆なセールストークだと紹介しています。
企業の成長力が高くなるに連れ、株式投資は復活し、89年末のバブル最高値へ。
しかし、その後のバブル崩壊で大きな損失を被った個人投資家の多くは株式投資アレルギーになってしまいました。
この痛手を痛感している60歳以上のシニア投資家は、元本安心・確実な利息(今はほぼゼロでも)を提供してくれる銀行預金を好む傾向が強いとあります。
18年度の上場企業全体の支払配当額は14兆円に上り、さらに日本独自の株主優待のオマケもあります。最近はコーポレートガバナンス強化の流れで、企業には株主還元のプレッシャーがかかります。
一方、銀行の国内預金に対する利払いは年間1200億円程度しかなく、その差は歴然。
しかも株式の配当は、株主である外国人、金融機関や機関投資家に流れ、個人投資家は享受できていない。
個人投資家はこれまで金融機関の営業や政府の方針に振り回されてきた感が否めず、その結果現在の株式の高配当の恩恵を直接受けられていないとの指摘です。
利息がほぼ期待できない超低金利が長引く中で、投資家にとって「インカム収入」はまずます大切な投資の成果となりそうですので、それが「どのような源泉から生まれ」、「どのようなリスクがあるのか」は目利きをする必要はあります。
ふと思うと、、、確かに株式を英語で言うと「Stock=蓄え、貯蔵」でしたね
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