• RYUICHI MOTOHASHI

「バリューの死」と言われた苦節10年にお別れできるか?

2019/12/05日本経済新聞 『割安株 苦節10年に転機』より


時々見られるこの株式投資スタイルについての記事を紹介します。


リーマンショック後の世界株の市場ではグロース(成長)株優位の状況が続き、バリュー(割安)株投資家にとって「苦節10年」とも言える構図が転換する潮目は来るのか?


一部ではその備えを始めた投資家もいるようだとあります。


英国拠点のバリュー株投資で実績30年のオービスは、最近これまで好調だった米国株を絞り、日本株の比率を高めているようです。

同社のスタイルは徹底的にボトムアップのリサーチを通じて、世界中でバリュー株を個別に選んで集中投資するというコントラリアン(逆張り投資家)です。


株価の急落局面で大きなダメージを負わず、長期で成績を挙げてきており、「まだ我慢の時だがいずれ追い風がくれば、超過収益が取れる機会になる」との同社日本代表のコメント。

こうした投資家が注目される機会は非常に限られていました。


「バリューの死」とも言われたこの10年、グロース株の成績が圧倒的に際立っていた理由を、記事では「成長の希少性」と言っています。


リーマンショック後、低成長となった世界経済で企業全体が成長できず、IT企業や中国企業など高成長企業が偏り、低金利によるカネ余り状態も投資家の運用資金も成長ストーリーを描けるグロース株に益々集中していったからだとあります。


「金利の低下」もグロース株の高い株価を十分に正当化しうる要因でした。

金利が下がる=企業が将来に渡って生み出すキャッシュフローを現在価値に割く「株価算出」に有利とあります。

今は赤字でも将来の大きな収益を期待できるからまだまだ買えると、高い株価を正当化しやすかったと言えます。


さてこの状態はいつまで有効なのか?


先ほどのオービス社の見立てでは、現在のグロース株の偏りは、リーマンショック前ITバブル時に匹敵する程で、その2回とも大きな株価急落局面となり、いつまでも宴は続かなかった訳です。


そろそろ予兆かな、、、と思ったのが9月半ば、米国長短金利差が広がり、グロース株の相対的成績が落ちて来ました。


これは一時的なものか転換点の予兆かは確信は持てませんが、今後のグロースVSバリューの優位性を考えるポイントとなりそうです。


この先、世界経済環境、金利水準、企業の景況感や業績など様々な要因を考慮しながら、柔軟に投資戦略を考えるべき、難しい局面ではないかと思います。


記事の最後の米国ゴールドマンの分析では、バリュー株の優位な局面米国経済成長が3%以上か、若しくはマイナス成長のときと紹介されています。中でもマイナス成長時には、グロース株の調整はとても深くなるとも。


株式投資では「長期的にはバリュー株投資が報われる」と良く言われていましたが、それが報われなかったこの10年間でずっと市場のエネルギーが溜まっているとすると、、、


バリュー株への投資スタイルを再度見直す視点をもって、来年以降の株式市場と向き合う提案をしないと、ちょっと危ないな…と感じました。

本日の別紙面でも「赤字を掘る」企業は、きちんと投資家に説明責任を果たさず、「のほほん」と株式市場に居続けていいのか?逆に、投資家も地に足をつけて冷静な視点で企業価値を分析し投資可否の判断を下すことが企業を鍛え成長を促すと厳しい視点を投げかけていました。


ゾンビ企業に株式市場に居場所はなくなるという流れは、今後も随所に話題になりそうですので、フォローしていきたいです。


【ご参考】過去のバリュー投資/グロース投資に関する記事は↓


・バリューとグロース…これからは? → こちら


・ バリュー株の逆襲? → こちら

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