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発行額最高視野に?沸き立つ社債市場

2019/09/11日本経済新聞 『沸き立つ社債市場㊤』より


発行額最高 視野にという見出しと共に、日本の社債市場が発行ブームに沸いているというトピックです。国債利回りのマイナス圏での定着で、投資家からのマネーが流入する一方、企業側も低コストでの調達のチャンスと社債発行が盛んになっています。2019年は9月時点までで考えると歴史的な発行ペースのようです。国内企業が1日にしては過去最高の1.3兆円を起債(社債を発行)した9/6は「どの銘柄も売れ行きは絶好調」との証券会社の社債担当者の声が紹介され、ソフトバンク・三井不動産・米バークシャーハザウェイまで顔ぶれも多様、劣後債・環境債・個人向けまで多様なタイプが出そろう社債ブームを象徴する日だったとあります。19年の発行は9月までで約10兆円超となり、1998年の年間14兆円の記録更新が見えてきたともあります。(98年と言えば、私が銀行員として社会人人生をスタートした年ですが、当時前年からの金融不況の真っ只中で、銀行の貸し渋りが横行し、企業は社債での資金調達を余儀なくされていた時代です)。

昨今の社債ブームは企業が積極的に資金調達手段として選択、記事には日清製粉や東海カーボンといった優良企業の「初めて組」もあるようです。この根底にあるのは超低金利という金融環境にあり、国債はマイナス金利がすっかり定着している中で、辛うじてプラスの利回りが残る社債に投資家が殺到している状態です。こうした企業の倒産リスクが含まれる社債ですら、ゼロ若しくはマイナス圏での利回りも出てきています。

そしてこの社債ブームは新しい社債のジャンルも生み出しました。昨年、私募債で旺盛な需要があった消費者金融のアイフルは、この6月に初のダブルB以下という投機的格付けでの公募社債を発行しました。投資家からの需要は強く、発行額は150億円と当初計画より上積みで社債発行したとあります。日本では債務不履行(デフォルト)が極端に嫌われ、投資不適格の社債は一部のプロ投資家だけのマーケットでしたが、長引く超低金利状態によって、少しづつながら許容されつつあるように思えます。

もう一つの新たなジャンルは満期までの年限が「超長期化」している点ではないでしょうか。4月に発行された三菱地所の社債は国内初の50年債、最長の40年国債を超える期間の社債でした。またこの超長期の起債はJR東日本、大阪ガスも相次いだとあります。この50年債の主な買い手は生命保険会社であり、人生100年時代とも言われる長寿化している顧客との長期の契約に合わせて、長期の債券で資金(保険料)の運用を行うのが目的でしょう。運用可能な資金量が莫大な保険会社ならではの投資ニーズかと思います。

また触れられてはいませんが、個人の投資家にとっては、発行企業の倒産のリスクやそれに見合った利回りや格付けが付されていることに加えて、売却したい時に好きな値段で自由に売ることが出来ない流動性のリスクも忘れてはなりません。この売りたい時に自由に売れないリスクは意外と見落としがちな大きなリスクです。


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