2019/07/09 日本経済新聞
『アジアは一強から三つ巴へ』より
時々確認したいアジア圏に関する話題です。
同日紙面では
「中国、成長再び減速へ 4-6月はGDP成長率は6.2%程度」、
「東南アジア主要5か国の成長率も4.3%へ下振れ」と概ね経済活動が
好調だったアジアの拡大トーンが下がっているといったトピックスです。そして大機小機は、そんなアジアの歴史な経済発展の側面から、今後の展開までの考察した話題でした。
まずかつてのアジアは一強だったとあり、19世紀の産業革命が本格化するまでは、世界一の経済を誇る清(中国)、明治時代後期以降は日本の一強でした。第二次大戦後も「昇る太陽」日本がリードし、マレーシアなどの東南アジア諸国はその日本を学ぶルックイースト政策を模索。90年代以降はグローバル化の経済展開の中、中国がナンバーワン。
この中で、最近躍進著しいのがインドです。コメの輸出は約100万トンで世界一、自動車生産は5位、鉄鋼生産は約1億トンで日本と同じ。18年のGDPはフランスに接近し7位で、5年後には日本と同じ程度まで追いつくと言われています。インドの国土は日本の9倍ですが、非常に多様性に富んでいます。カースト制の身分制度が残り、南北では文化が異なり、ヒンズー教・イスラム教等の宗教が多様化、29州の権限の強い連邦制、公用語は22あり、平均で括る(くくる)ことができない国、世界で活躍する在外インド人も多く、強力なネットワークも形成されているとあります(確かにどこに行ってもリトルインディア等のコミュニティがありますし)。加えて若い国でもあり、人口の半分は25歳以下、全体の人口も2-3年で中国を抜くと言われ、経済成長率も7%台の潜在成長力のある発展期にあります。
かつての一強、中国は建設・不動産・ノンバンクに資金が集中したバブル経済期の日本に似ている側面があります。少子高齢化に向かい始めた姿もかつての日本と同じく高度成長期を終えている(まだ6%超の成長はありますが)とあります。
そんな中で米国との経済摩擦に突入し、経済戦略では日本に急接近しています。
最後に本記事では、国のステージがそれぞれ異なる日本・中国・インドが三つ巴で向き合うアジアにおいて、我が国は経済・情報技術・安全保障の三方にらみで機敏な対応、大局への洞察力ある外交が必要となってくると終わっていました。
まさにかつてのような一強一国の時代から、現在のグローバル化でよりフラットとなった政治・経済活動においては、様々な利害関係国にも配慮した外交や交易条件への影響度、隣国韓国への対応や、背後に控える超大国:米国への配慮もこの大局観に加味しなればならないでしょう。
昔学生の時代に、外交の失敗はその後50年、60年影響を及ぶものになりかねないと聞いたことがありますが、まさにその通りと思うような事態が昨今いろいろなシーンで目にします。
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